Reef工房室



照度計(照度測定キット)




プロローグ

メタハラの照度はどのくらいの強さなんだろう・・・?
と言う訳で照度計が欲しくなった訳ですが、そんなホイホイと買える値段ではありません(^^; そこで見つけたのが秋月電子から販売されている「照度計キット」です。 ホビー用キットですから自分で組み立てなくてはなりませんが、それも楽しみの一つ。 しかも手頃で安価なものですから、これを使わない手はありません(^^
ところがこの照度計、測定範囲が0.01Lx〜20000Lxしかありませんので、アクアリウムに使用するメタハラやハロゲンランプ、ましてや太陽光などは測ることが出来ません。 そこで私は素人ならではの安易な発想で回路を少し簡易化・変更してみました。 センサー部であるフォトダイオード「BS520」の特性から単純計算で負荷抵抗を割り出し、100〜200000Lxまでをカバーできるように作り直しました。 しかし周りの意見や自分自身いまいち精度に自身がなかったのですが、今回マスタさんからお借りできた既製品の照度計との比較でかなりの精度であることが判りました。 なんだ計算通りじゃん(笑)。


秋月電子の照度測定キットを改造する

[純正回路構成]
左は秋月の照度計キット完成品の構成図です。
基盤が2つに別れている事と、それぞれに電源が必要だという点が 面倒でかさばります(^^; そして何より受光基盤の制作が素人には難しい〜っ!
私も2回作り直してうまくいか〜ん!
なんとか簡単にならんものやろか・・・。
しかも測定上限がたった10,000Lxだし(^^;

[改造回路構成]
付属の特性表によると、センサーの短絡電流はかなりの直線性。
これなら電流値を直接、照度の値に変換するような負荷抵抗Rを組み合わせてループ回路を構成し、 Rにより電圧変換させた値をそのまま電圧計に入力すれば、表示値が照度値じゃん! と言う発想の元、左の回路を組みました。 この時点では特性表にない上限の値は未知数でした。
ひょっとしたら数万Lxあたりで特性が飽和してたり、果ては壊れたかも知れないし(^^;

負荷抵抗 R の計算方法

[改造回路構成]
左のグラフはフォトダイオードBS520の短絡時に於いて、照度に対する電流値の特性を表すグラフです。 見たとおり、このセンサーは非常に綺麗な直線性を持っている事が判ります。 目視によるピックアップだけでも、照度が10-2[lx]時には5x10-11[A]の電流が流れ、 また102[lx]時でも比例して5x10-7[A]の電流が流れる事が判ります。 もっと分かり易く言うと、

照度 0.01[lx] → 電流 0.00000000005 [A]
照度 100 [lx] → 電流 0.0000005 [A]

と言う比例関係です。グラフでは1000[lx]までしかありませんが、キットの測定上限が10000[lx]まである事から、 このグラフはまだまだ上の方へ直線的に伸びているものと思われます。 と言う事は、更にこのまま直線的に伸びているならば、計算上1000[lx]で5x10-6[A]、10000[lx]で5x10-5[A]、100000[lx]で5x10-4[A]だと推測する事が出来ます。 このセンサーの特性を電流と照度の関係式で表すならば、

照度 [lx] = 電流 [A] x (2 x 108)・・・・・・・・(1)

以上の事から、電流値[A]を 2 x 108倍すれば、照度値として得られる事が判ります。
では次に、具体的に電圧計との組み合わせに於いて考えてみます。

付属のデジタル電圧計の測定範囲は200.0[mV]フルスケール分解能0.1[mV]となっています。と言う事はこのまま使用すれば、 1.5[mV]時には表示は「001.5」、50[mV]時には「050.0」と言う表示になります。最大の表示で「199.9」になります。
この事を利用して、電圧計は最大表示「199.9」、測定する照度の最大値はせいぜい200000[lx]、と考えると、 これは上手い具合に電圧計の上位4桁に照度値の上位4桁を当てはめるような回路設計にすれば良いのではないでしょうか? 10万ルクスなら「100.0」と表示するように。うんうん、なんか良い感じ(^^ これなら無駄なく100[lx]まで測れます。

さて、ここで問題です。センサーで得られるものはあくまで「電流」。電圧計に入力するのはあくまで「電圧」。・・・あり?って思いましたか(^^? そうなのです。回路として動作させるためには、センサーから出力した電流を電圧に変換しなくてはならないのです。ではどうするのか? ここで懐かしい式が役に立ちます。そうです。中学校で習ったあれです。

E = I x R (イーイコールアイアール)・・・・・・・・・・(2)
電圧 [V] = 電流 [A] x 抵抗 [Ω]

ややこしい事は抜きにします(^^;要するに、得られた電流を抵抗に流せば、上記の関係式(2)によって抵抗の両端に電圧が発生します。 例えば、10[Ω]の抵抗に2[A]の電流を流せば抵抗の両端に10x2=20[V]の電圧が発生します。ま、とりあえず今は抵抗値をR[Ω]としておきましょう。

では、実際に電圧計に表示させたい照度の桁を合わせるために、抵抗値R[Ω]を考えてみます。
先ほどの比例式(1)からは、照度=電流 x (2x108)の関係を知りました。そして電流の電圧変換(2)も判りました。 あと考慮するものは、電圧計が200.0[mV]である事、E [mV] = E x 10-3[V]であると言う事です。 例えば、この電圧計で10万ルクス時に「100.0」と表示するにはどうすれば良いかと言う事です。

  • まず、電圧計に「100.0」と表示するためには、100[mV]を入力しなければならない
  • 勿論「100.0」と言う表示の意味は、10万ルクスを受光した時と言う事である

よって考えるべきは、「10万ルクス時のセンサーの電流値を使って100[mV]を作る」と言う事になります。 と言う事は、この時の電流値は、先の比例式(1)から、

電流 [A] = 照度 [lx] ÷ ( 2 x 108)

と変形する事が出来、得られた値は、

電流 [A] = 100000 [lx] ÷ ( 2 x 108) = 5 x 10-4 [A]

と、なります。また、この電流値を使って100[mV]を作るためには、電圧変換のための関係式(2)から、

抵抗 [Ω] = 電圧 [V] ÷ 電流 [A]

と変形する事が出来、よって得られた値は、

抵抗 [Ω] = ( 100 x 10-3[V] ) ÷ ( 5 x 10-4[A] ) = 200 [Ω]

∴負荷抵抗 R = 200 [Ω]

以上の事から、負荷抵抗が200[Ω]で良い事が判り、また簡易化回路の意味もご理解頂けたと思います。 センサーと負荷抵抗とのループ回路とは、抵抗の両端に電圧を発生させるためであり、その両端を電圧計で測定するという簡単な仕組みだった訳です(^^

・・・あとね、電圧計の小数点「.」はどうすんの? と思われましたか?
これは電圧計の設定で簡単に消す事が出来ますので、良〜く説明書をご覧くださいませ(^^

上記の計算では、100[lx]時の電流値を敢えて0.5[μA]で簡単に処理しましたが、キット付属の別特性表による実際の短絡電流特性は、以下のようになっています。

ParameterConditionMIN.TYP.MAX.
短絡電流Ev = 100 [lx]0.40 [μA]0.55 [μA]0.65 [μA]

この表に基づき、0.55[μA]で負荷抵抗を計算すると、約182[Ω]になります。
この方が精度が良くなるかも知れませんね(^^;


結果報告

アーベーの球では、ほぼ既製品通りの測定結果となりました。次にスーパークールでは、既製品よりも300Lx〜700Lx高めの表示となりました。 で、赤色用ハロゲンでは、ほぼ100Lxの低めの表示となりました。 このことから、色温度10000Kをほぼ境にして測定結果に増減の誤差が出ることが判りました。 はたしてセンサーの特性なのかそれとも回路構成が悪いのか、それは判りませんが、ホビー用としては上出来のものが仕上がったと思います。まあ、こんなもんでしょ?

各ランプの照度、及び既製品照度計との比較

光源 測定距離 30cm 測定距離 60cm
ab:aqualine10000 150W [写真]
自作品 33600Lx
既製品 33600Lx
[写真]
自作品 7700Lx
既製品 7700Lx
岡村電産:スーパークール 150W [写真]
自作品 22200Lx
既製品 21500Lx
[写真]
自作品 6000Lx
既製品 5700Lx
タケダ:MR-1B 85W [写真]
自作品 16700Lx
既製品 16800Lx
[写真]
自作品 5500Lx
既製品 5600Lx

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