海を創るには



水槽を管理する


水槽のセッティングと立ち上げを終えたら、今後は日々の各種メンテナンスが待っています。 どんなに優れたシステムであっても、水槽内の環境は日々変化していきますから、油断は禁物です。

以下に主なメンテナンス項目を上げておきます。参考にしてください。



比重・水温の確認

これらはマリンアクアリウムの基本中の基本です。 あまりに当たり前すぎて返って気づきにくい項目であることも事実です。 うっかり見逃さないよう日頃からチェックする癖を付けておきましょう。

比重の確認

人工海水を作る際にあれほど厳密に合わせたはずなのに何故?と思われるかも知れませんが、実は比重が変化してしまう外的要素がいくつかあるのです。
まず1つは「蒸発」です。水が蒸発する際、塩分は連れて行ってくれないので、蒸発していくことによって海水の塩分濃度は徐々に濃縮され濃くなっていきます。 そのため、定期的に真水を補給してやる必要があります。くれぐれも「海水」を補給しないように。濃くなってしまいます(笑)
2つ目の要因は「塩ダレ」です。一見、水面から跳ね返った海水の滴が水槽外に付着し、水分のみが蒸発し塩が結晶として残ったように見えます。 そうならば、水:塩分の比率が均一に持ち出されたはずなので飼育水自体の比重には影響がないのでわ?と思えますが、かと言ってそれを正確に計ることは出来ず、 また元々飼育水中にあったはずの塩分が水槽外へ持ち出されていることは事実なので、少なからず比重に影響が出ていると捉えた方が無難でしょう。
3つ目はプロテインスキマーにより回収された排液の中にも、塩分は抽出されているということです。よってこちらも塩分の補給が必要と思われます。

以上のことからも判るように、比重は色んな要因によって濃くなったりあるいは薄くなったり、それが複雑に絡み合って常にどう推移しているかがなかなか見えないのです。
実際には極端に変化することはないので、定期的な換水時に調整するか、それとは別にサイクルを決めてチェックしてしていくことが理想的です。

水温の確認

水温を測ること自体は非常に容易です。水温計が一つあれば良いのですから。 そうではなくて、室温や照明等からの影響や、クーラーやヒーターの故障あるいは操作ミス(結構多い)等によって、水温が刻々と変化していくトラブルを未然に防ぐための日々の監視が必要なのです。 また水温計を設置する位置にも注意が必要です。ヒーターやクーラーの近くでは飼育水とは異なる水温を検知してしまう恐れがあるため、これらとは距離を置いて配置しておく必要があります。 水槽とサンプへ別々に2台取り付けておくと安心です。
ちなみに まず海を知る>水温について の項でも触れましたが、海洋生物は水温の低い側への変化にはある程度の対応力がありますが、 高い方への変化には非常に脆い生き物です。サンゴの白化から死滅に至る直接の原因も高水温だと言われています。 私も過去に一度やっちゃいましたが、くれぐれもクーラーやヒーターの設定を間違って「高水温」にだけはしないようご注意ください。 とは言え、万一そのようなミスがあっても水温をチェックする癖が付いていれば対処は迅速に行えるはずです。


栄養塩の確認と各種藻類

魚メインの水槽では、基本的な水質コントロール自体が定期的な換水により賄われるのであまり深く考えることは少ないかも知れませんが、 ナチュラルシステムの場合、水質安定のうたい文句につい過信しすぎて水質チェックを怠っていると、知らぬ間にかなりの栄養塩が蓄積されている場合があります。 もちろん過度な栄養塩は生体のみならず、厳密には生物的な水質浄化システム自体へ悪影響を及ぼす恐れがありますので、特に給餌の伴うナチュラルシステムに於いてはくれぐれも注意してください。 また栄養塩にシビアなサンゴを収容している場合や、造礁サンゴの色揚げを目指す場合にも、より厳密な栄養塩操作が必要となってきます。 勿論、藻類の原因でもありますから、なるべく低栄養塩が実現されるよう日頃の水質管理を心掛けましょう。

硝酸塩(NO3)の確認と藻類(ヒゲゴケ・ハネモ)

もっとも知られている栄養塩の一つで、まずはこれをチェックしなければ始まりません。 強制濾過では特にこれがガンガン生成されているはずですから、これが換水のタイミングを計るひとつのバロメーターともなります。
魚は比較的丈夫なため、魚がメインの水槽で有れば、この値は40〜50ppmでも案外問題ないように見えます。 しかし実際には、体の保護膜や消化器等に悪影響を与える等、見えない部分でストレスの元となりますので、どんなに蓄積してもせいぜい20ppm以内には抑えてあげたいところです。
またナチュラルシステムに於いてはサンゴの如何に関わらずせいぜい10ppm以内に抑えることが望ましいと言えます。 これは生体だけではなく、システムの各部に点在する各種バクテリアへの影響も考慮してのことです。バクテリアでさえも高濃度の栄養塩により活動が阻害されるのです。 そもそもサンゴ礁ではこの値はかなりゼロに近い値で推移していますから、水槽に於いても可能な限り実現したいところです。

[ヒゲゴケ]

ちなみに硝酸がある程度蓄積されると、造礁サンゴは全般的に色が悪くなります。 なぜなら、サンゴに共生している褐虫藻はそもそも褐色系の地味な色をしていますが、多量の硝酸を取り込んで栄養過多となり肥大化する事により、サンゴの色素よりもより目立って見えるためです。 特にブルーやパープルの浅海域のミドリイシを維持するなら硝酸はゼロを実現しましょう。

その他、海藻が良く育ちますが、併せて藻類も良く育ちます(笑)。ここで更に生物層が貧相だと、天敵が居ないことをきっかけにヒゲゴケ・ハネモの楽園と化してしまうケースが大変に多いです。 そのような時は、換水と合わせて微生物の補給がオススメです。もちろんライブロックにもたくさん付着していますから、ライブロックの追加・交換も効果があります。 ちなみに普段からヤドカリが多ければ出る芽は摘まれますが、いざヒゲゴケ天国となってから慌ててヤドカリを増員してもあまり効果は期待できません。

リン酸塩(PO4)の確認とシアノバクテリア(藍藻)

命あるところリンは付き物ですが、サンゴ礁に於いてはこの値はほぼゼロです。しかもリンは硝酸と違って少量でも造礁サンゴや石灰藻の石灰化を阻害します。 特にミドリイシを極めるならこの値の上限は0.2ppm程度までとしてください。サンゴの種類にも寄りますが、0.4ppm前後を越えると萎縮したりポリプが出なくなったり、最悪は死滅する恐れがあります。
尚、ナチュラルシステムと言えどもこのリンはバクテリアによる分解は非常に困難です。自然下では一部のバクテリア・微生物らによる固定・循環が存在しますが、 一般的な水槽ではそれらを期待するのはあまり現実的ではありません。 よって水槽に於けるリンの排除方法としては、カルクワッサー(飽和石灰水)の添加によるリン酸カルシウムへの固定か、吸着剤による除去がもっとも一般的と思われます。

[シアノバクテリア]

ちなみにリン酸濃度が高くなってくると、造礁サンゴや石灰藻などの石灰化への阻害以外に、シアノバクテリア(藍藻)と言う藻類が岩や砂面で猛威を奮うことが良く知られています。 このシアノバクテリアは厳密には渦鞭毛藻と呼ばれる原核生物の仲間で、原生生物の中では唯一光合成をするバクテリアです。また硝酸枯渇環境下での窒素固定能(窒素→アンモニア)も持っています。 見た目は赤っぽいベトベトした膜状(中には緑系のものも)の藻類で、たまにお風呂場で見るあの赤いヤツにも似ています。また水流を当てると容易に剥がれ舞い散ります。
但し、このシアノバクテリアは長期に渡り存在することは希で、一時的に発生するだけのケースが多いようです。どうやら、リンを始め他の利用できる栄養塩を使い果たすと自然と消滅すると考えられます。 そこで考え方を変え、あくまで見た目を気にせず、リンを利用する有り難い存在(?)として割り切りたいところですが、 この手の藍藻の中には毒素を生成するヤバいタイプのものも存在し、水槽でもしばしば造礁サンゴを壊滅に追いやるケースもあります(病気の基礎知識>Dinos参照)から、 やはりそもそもリンや他の栄養塩を溜めないように心掛けたいところです。

さらにシアノバクテリアに限らず全ての藻類の扱いについて参考までに記すと、 ガラス面の藻類はまあ良いとして、岩面や砂面の藻類の駆除の際に必要以上にブラシ等で磨いたりゴシゴシ洗ったりすると、 藻類以外に元々付着していたバクテリアや微生物まで根こそぎ退治してしまうため、次回その面は先の藻類にとって天敵の居ない住みやすい空き部屋になってしまいます。 そうなると、駆除前よりも更に増殖規模が大きくなる恐れが出てきます(笑)。くれぐれもそのような事にならないようご注意ください。

ケイ酸塩(SiO2)の確認と茶ゴケ(珪藻)

ケイ素は一般的にシリカと呼ばれる鉱物由来の物質で、一般的には比較的どこにでも多く存在していると言われています。 しかし閉鎖された水槽内では海藻や藻類に利用され徐々に減っていきますので、水道水に含まれて混入する以外に水槽で発生することはまずありません。 よって水槽の水質管理に於いては、人工海水生成時に浄水器を使用する等の配慮があれば、多くは未然に抑えることが可能です。

[ガラス面の茶ゴケ]

また水槽の立ち上げ初期の段階で特にガラス面に発生しやすい茶ゴケの類は、主にこのケイ素を利用する藻類としても良く知られていますが、 やはり徐々にケイ素が枯渇してくれば徐々に勢力は弱まってきます。 それまでは定期的にガラス面をスクレイバー等で刮ぎ落としてください。魚も集まってきて喜んで食べてくれるでしょう。

一方で、昨今のマリンアクアリウム事情では、敢えてこのシリカを添加して藻類の成長を促し、結果的に硝酸を吸収させよう、などという試みも耳にします。 それはそれで視点が素晴らしいと思います。 例えば、プランクトンの安定供給を目的としたリフジウムに於いて、それらのエサともなる植物プランクトンの発生量を、このケイ素添加がより加速させられるならば、 この方法はリフジウムに対しても相性が良く効率アップが期待できると言えるだろう。


pH・KHの確認

これらの変移は水槽内の異変を知る手掛かりになります。試薬あるいはモニターを用いていつでもチェックできるように心掛けてください。

pHの確認

通常マリンアクアリウムに於けるpHは、酸に対してバッファ効果のあるサンゴ砂を用いていたり、あるいはサンゴや海藻が行う光合成によって海水中のCO2が消費されているため、 飼育水のpHはおよそ8.0〜8.4前後のアルカリ性を示しています。その値は日中の光合成が行われる時間帯が最も高く、夜間はそれらが呼吸に代わるため徐々に低下し繰り返されます。 またこのpHの変移差はKH(炭酸塩硬度)の状態により影響を受け、KHが高いほど安定しますが、逆に低くなるとpHは変動が激しく不安定となります。 とは言えこの両者は双方で相反する性質を持っているため、両者をともに高く維持することはなかなか難しいとされています。

一般的なpHの管理手段としては、良く曝気すること、魚等の生体を入れすぎないこと、そして光合成生物の恩恵を受けることも効果があります。 いずれにしても水槽内での酸化要素(魚の代謝やバクテリアによる有機物の分解等)を減らすことで、海水が酸性へ傾くことを未然に防ぐことに繋がります。
万一監視した値が普段よりも急激に低下した場合、それは何らかの酸化要素が発生していると推測されますので、魚やサンゴの死滅等を疑うことが出来ます。
また人の多い部屋や冬季のストーブにより増加するCO2は水槽のpH低下に繋がりますが、その場合は問題点が改善されれば元に戻りますので心配要りません。

KHの確認

pHを安定して維持するためにもKHの値は低くなりすぎないように注意が必要です。 KHの値は飼育水中の重炭酸イオンの溶存量により増減しますので、光合成生物によりこれらが消費されたり、炭酸塩として結合することで沈殿し消費されます。 一般的にKHのみを都合良く増加させる方法はなかなかありませんが、一時的な処方としてはバッファ剤を用いる方法があります。 但し、引き替えとしてpHが犠牲となりますし、長期的に見てイオンバランスへの影響を考慮するとあまりオススメはできません。
一方、カルシウムリアクターを用いれば、pHがやや普段よりも低めに推移されますが、重炭酸イオンもカルシウムイオンも共に供給可能なため、KHを安定して高く維持することができます。 特に石灰化を行う造礁サンゴにはこれら双方が必要であるため、pHの安定化も含めカルシウムリアクターはメリットの大きいアイテムと言えるでしょう。

ちなみにKHが低いと造礁サンゴの石灰化は鈍化しますが、逆に高すぎるとどうなるでしょう。 決してサンゴの発育がその分比例して加速する訳ではなく、余剰分は海藻や藻類に消費される率が高くなってしまいます。 結果的に藻類の蔓延を引き起こす危険性が考えられるので、もしカルシウムリアクターを設置された場合でも必要以上に供給することは避けるべきです。 余程サンゴを敷き詰めない限り、自然を見習ってせいぜい8dKHもあれば十分でしょう。


照明機器の確認

蛍光灯にしろメタハラにしろ、ランプ寿命にはランプ自体の点灯可能時間に関する寿命と、一定の有効波長が照射できる限界時間の寿命があり、 生体への影響を考慮するとランプの交換時期は後者を基準に判断すべきでしょう。例え見た目が点いていても照度が低下していたり紫外線量が増加している可能性もあります。 とは言えそれらの変化を図ることは難しいため、例えば一年毎に交換する等のルールを決めておくと良いでしょう。

日頃のメンテナンスとしては、万一メタハラのガラス面に塩ダレ等の汚れが付いた場合、無闇にふき取らず、まずは消灯後コンセントを外し熱が取れてから軽く拭く程度にしましょう。 特に電球型ランプの場合、ランプ自体にUVカット成分が塗布されている場合があり、これは熱変化により剥がれやすくなってきますから、うっかりふき取ってしまうと紫外線がジャジャ漏れになる危険性があります。
また蛍光灯の場合、設置上どうしても塩ダレが付きまといますが、やはりこちらも消灯後にコンセントを外して熱が取れてから掃除しましょう。

ちなみにメタハラの場合、扱う電圧も非常に高く、水回りで使用すると言う点を考慮しても、必ずアースを施工するようにしてください。 また使用中は決して濡れた手で触れることの無いよう注意しましょう。


ポンプ類の確認

ポンプの故障に遭遇することはあまり無いと思いますが、異音が発生したり流量が低下した場合等は点検が必要です。 その場合に備え、ポンプ周りの配管には脱着可能な構造を予め持たせておくとグッドです。
故障例としては、ポンプ自体の電気的故障よりも、インペラーの破損や主軸の摩耗によるものが大半を占めますので、修繕費はさほど掛からないケースが多いと思われます。 慣れた方ならパーツを取り寄せてご自身でできるでしょう。無理な方はショップへご相談ください。
また故障ではないケースとして、配管やインペラー部に水垢や石灰藻が付着している場合もありますが、それらは分解掃除により復活します。


クーラーの確認

クーラーの点検項目は、まずはフィルターです。ここへホコリが溜まって通気性が悪くなると放熱がうまくいかず効率が低下します。 もちろんそのままではコンプレッサーにも負担を与えてしまい、電気代にも影響が出ますので、たまに目詰まりのチェックを行ってください。
センサー部が外部にあるタイプでは、水中に設置したセンサーもたまに藻類や石灰藻の付着がないか点検します。
その他、たまに温調ツマミまたは設定をいじってみて、正常に動作が切り替わるかも見ておくと良いでしょう。

ちなみにクーラー容量が現在の水量に対してギリギリの時は、無闇に照明(特にメタハラ)を追加するとキャパオーバーとなって水温が下がらなくなってしまう場合があります。 水槽システムの設計段階で予めそれらも考慮した容量のものを選定しておいてください。


プロテインスキマーの確認

サンプ内へ水没させて使用している場合は、たまに取り外して分解掃除できるように、サンプ周りは余裕を持って設計しておくと良いでしょう。
カップ周りも万一のオーバースキムを想定して、別容器へのパイピングを施しておくのも良い方法です。
エアの調整が出来るタイプのものは、エア取り込み口内部に塩の固まりやゴミが付着して空気が通りにくくなる場合がありますので、 泡の出方が弱くなった場合にチェックしてみると良いでしょう。 但し、水槽へ手を入れていたりすると手の皮脂が海水の海面活性に影響を与えるため、しばらくは泡の生成量が弱くなりますが、しばらく経てばまた元に戻ります。
またバッファ剤の使用により一時的に泡がオーバースキムとなる場合もありますが、こちらもしばらくすれば元に戻ります。

ちなみにある程度汚染物質が回収され、海水中の有機物の量が減ってくれば、当然スキマーの泡も弱くなっていきます。これは良いことです。 この時、当面それ以上の汚染負荷を与える予定がないのならば、思い切ってスキマーの調整を最小限に絞って、エアレーションの意味のみにしてしまうのも良い方法です。 これにより、微量元素やプランクトンが無駄に回収されてしまうことを防ぐことに繋がります。


カルシウムリアクターの確認

巷には市販のものや自作のものなど多々入り乱れてますが(笑)、とりあえず基本的な解説だけ記しておきます。
基本原理を知っておけば、メンテナンスに於いてもトラブル時の対処にも的確な判断と処置が可能となるでしょう。

カルシウムリアクターの基本原理は、以下の3行程がひとつになったものだと理解してください。

  1. カルシウムリアクター内をループ循環させるポンプ回路
  2. カルシウムリアクターと水槽間を微量ずつ循環させるポンプ回路
  3. カルシウムリアクターへCO2を添加する回路

尚、a.とb.を1台のポンプで賄う場合、a.のカラム内ループ循環時に発生する圧力差を利用して、水槽からカラム内へ海水を引き込み(あるいは送り出し)ます。 またa.とb.それぞれに独立してポンプを配したタイプでは、カラム内の負圧の変移に影響を受けず安定して供給が可能となります。後者がオススメ。

調整方法については各々の製品の取扱説明書に詳細を委ねますが、基本的な考え方は自作であろうと同じはずなので、以下を参考にされても良いと思います。

カルシウムリアクターの調整方法の考え方

  1. カルシウムメディアを適切に溶解させるために必要なpH値は、約6.5〜6.8程度である
  2. CO2添加量の増減に対して変化する溶解度の増減は、溶解範囲内に於いてはおよそ比例関係にある
  3. 水槽カラム間の循環流量の増減に対して変化する溶解度の増減は反比例の関係にある

[調整イメージ]
このような関係をまず念頭に置いて、実際の調整時のシミュレーションに役立てます。
簡単に言えば、CO2添加量を増やそうと減らそうと、また水槽カラム間の循環流量を増やそうと減らそうと、 最終的にはカラム内のpH値が約6.5〜6.8前後となるように調整結果を模索しましょう、と言うことになります。
その結果として得られたカルシウム値とKH値は必然的な値であって各々の操作はできません。 よって調整の対象はpHの保持を基準とした上で、水槽カラム間の循環流量の増減に合わせ、CO2添加量も増減する必要がある、と言えます。

調整にあたり、まず現在の水槽のカルシウムとKHを測定し、目的の値に対してどれくらい供給しなければならないかをイメージします。 但し、いくらその差が大きい場合でも急激に供給してはなりません。
設置後初めての調整であれば、水槽カラム間の循環流量を60滴/分程度、CO2添加量を20滴/分程度でスタートしてみると良いでしょう。 この時、溶解液のpHを測定し、必要な値を満たしているかどうか確認し、低すぎるようならCO2添加量を減らすか、水槽カラム間の循環流量を少し増やします。 逆に高いようならCO2添加量を増やすか、水槽カラム間の循環流量を少し減らします。 そしてその設定で数日程度オペレーションしてみて、およその上昇率を捉えます。少しずつでも上昇が見られるなら、まずはその設定を維持してください。 しかし上昇が見られない場合は、CO2添加量・水槽カラム間の循環流量を双方とも少し増やして、またしばらく監視します。 逆に目的の値に達して尚上昇が見られる場合は、少し設定を弱めてやります。いずれにしても調整結果が出るには数日間の監視が必要です。 また溶解液のpHの値は調整するたびに必ずチェックする癖を付けておくことをオススメします。

調整がうまくいって各値も目標値で推移するようになっても油断は出来ません。少し経ってからまた下がり始めるケースも出てきます。 むしろそれが正常です。なぜなら造礁サンゴが活発に成長を始めれば、当然消費量も増えていくでしょうから。 あとはどう調整していくか判断はお任せします。とは言え、あまり強制牧場はオススメしませんが。。。

上記の中で「比例」と表現した部分はあくまで捉え方であって、厳密にはCO2増加時の圧力や飽和により溶解度は低下傾向になると思われます



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