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20104月21

LEDによるコントラスト問題について

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時間があるうちに書いちゃいます(汗)

水槽照明としてのLEDランプ。
それは非常にやっかいな問題を孕んでいた。
そう。それはコントラスト問題だ。

以下、これは単に僕の印象であり、学術的な精度なんて勿論ありませぬ(汗)
ひとつの考察としてご覧ください。

集光すればするほど顕著な問題

これはLEDに限ったことではありませんが、そもそもアクアリウムに於いては、光源をレンズで集光した照明機器自体が他に無い(知らない)ので、LEDをメイン照明に迎えた今回の実験で初めて日の目を見た問題なのかも知れません。

これまでもランプの集光の手段はいろいろありました。例えば、電球型蛍光灯向けのラッパ(反射板)灯具。スポットミニ「閃光」とか。
とは言え、ドーム面の反射による集光は、集光ではあってもドームの面積・角度の分だけ分散された光を多く含んでいます。そしてそれは生体に多角的に降り注いでいるはずです。

しかし、LEDはどうでしょうか。
市販の電球型LEDランプに限って言えば、少ない光束をかき集めるべく、すべての商品で狭角なレンズを搭載しています。(ボルクスは例外的に60°広角レンズですが)
一方、電球型ではない、システム照明化されたLED照明では、逆にレンズを搭載したものはまだ少ないようですが、その分、光量を稼ぐために大電力のLED素子を大量に積んでいます。そして結果的にメタハラと同等か、それ以上の消費電力になってしまっています。しかし、これは本末転倒といえます。仮に150Wを消費して150Wのメタハラと同等の光量を実現したと言うなら、僕なら波長域の問題からメタハラを選ぶでしょう(苦笑)
しかしそれが現状です。いくら技術が進んだとは言え、まだまだLEDはメタハラに置き換わるだけのスペックには及びません。メーカーとしても、使用に耐えうるものを提供するには、今のところこの方法しか無いのです。

少し脱線しましたが、電球型LEDランプに話を戻すと、これはコンセプトとしても効果としても、その仕組みは非常に優れているといえます。少ない電力で光量を得るための、これこそがLED本来の意味を生かした仕様と言えます。そして今の時代にもマッチすることでしょう。あとは波長を精査して、効果を吟味するだけです。・・・のはずでした。

しかし、実際にそれを水槽に取り入れてみて、ある問題が浮上しました。それがLEDのコントラスト問題です。厳密には「集光レンズによるコントラスト問題」と言った方が正しいかな。
実際にはLED素子自体にも樹脂によるレンズ構造が存在しますし、素子単体からの光だけを見た場合、多かれ少なかれ、外部レンズの有無に関わらずこの問題は孕んでいると言えるでしょう。
LEDはその構造上、光は素子の前面にしか出ません。最近の大出力タイプの素子なら、デフォルトでおよそ120°程度です。そして電球型ランプを構成する際には、それを外部レンズで更に30~60°まで絞り込みます。これでようやく使用に耐えうる光量に到達する訳です。
そして、ここに落とし穴が存在しました。

LEDのコントラスト問題の概要

上の図で、仮に両者の物体面での照度が同じ値だとしても、何かが大きく異なるのがお判りいただけると思います。そう、光の拡散がまるで違いますね。
蛍光灯(メタハラ)の方では、灯具自体の反射は勿論のこと、その拡散範囲の広さにより、更に二次的な反射光が期待できます。水面の反射、ガラス面での反射、良いこと尽くめです。
しかし、LED+レンズでは、ただでさえ直接光しか含まれない上に、光を集約しているため二次的な反射も皆無です。これはこれで「メタハラ並みのキラキラ(コントラスト)が得られた♪」と当初は万歳しましたが、蓋を開ければこれが集光レンズによる高照度のタネ明かしです。

両者の違いを確認するには、蛍光灯でできる影と、LEDでできる影を比較すると判りやすいでしょう。前者はぼやけてますが、後者はハッキリと浮き出ます。広い発光面積から全放射される拡散光と、小さな点光源から発せられる直進光の違いです。
じゃ、太陽光はどうなの?というと、あれは大気による拡散光も膨大ですが、それ以上に直進してくる光線量がハンパないために、やはり強いコントラストが現れると言えます。しかし海中では、海面の乱反射や地形による拡散により、生体には満遍なく光が注がれます。LEDの場合も、それを実現しなければなりません。

コントラスト問題が生体に及ぼす影響と、その反応

とは言え、別にこれが悪い要素でないなら、何も問題にはなりません。しかし、実際にはこれが原因ではないかと思えるような、生体の反応が見られました。それが以前紹介した、生体(ミドリイシ)からのスイーパ(刺糸)です。
参考:紫外線LED:Kミドリイシの防御反応

しかし当初はこのスイーパの原因がまったく掴めませんでした。水質にも問題はないし、光も十分すぎるはずです。しかも、日中、光を近づけてのスイーパなら光障害である判断もできますが、これが何故か夜間に起こるのです。それも、全てのミドリイシで。。。

待てよ。。。前にも見覚えがあるぞ?

実は、もう10年前の話ですが、実はこの現象は既に体験していました。ちょうど当時飼っていたエダコモン(沖縄くん)が、夜間に同じようにスイーパを出していることがあったのです。
で、共通項を探ってみると・・・日中の光が強すぎる・・・かな?
しかし、今は強いとは言っても所詮LEDの光です。メタハラほどの照度はありません。でも、どう考えても同じ現象ですし、それしか思い当たりません。

そこで疑ったのが、コントラスト問題でした。
仮説として、仮に光がさほど強くなかったとしても、コントラストが起こるほどの光環境に晒された場合、生体は何らかの防御反応を示すのではないだろうか?と。

でもなぜ、防御反応?

それは、レンズによる強力な集光によって、生体の照射面と陰との明暗差があまりに極端になるため、光合成や物質の受け渡しに障害が起こるのでは?と言うひとつの推測からです。
事実、スイーパは枝の先端や照射面からが多く、たまたま生き残ったスゲの部位とは、根元の水平で平坦な共肉部でした。平坦な部位ですから、影というものは無く、全面が照射面として光合成できる部位です。そして、溶けたのは全て枝状の個体です。これは照射面である先端から溶けるため、残った壁面は陰なので光合成量が足らず、これは溶けて当たり前?という考察です。

で、試しに、ちょうどボルクスさんから預かっていたLEDシステム照明サンプルを補助として、水槽の横からも照らしてみる実験に入りました。年末から年明けにかけての話です。これは特に案内してなかったので、知らなかった人も多いでしょう(汗)

結果、夜間のスイーパが軽減しました。完全には無くなりませんでしたが、もし東西南北の全角度から満遍なく当てたなら、おそらく解決できたのではないかと睨んでいます。例えこれが、いくつかの原因の一つに過ぎないとしても、まずは価値ある前進かなと思います。

うーん。。。照度も確保しつつ、光の拡散(反射)も必要なのか。。。

長くなったので、つづく

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