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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

ペルチェクーラー「小雪」の温調基盤

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先日、水冷ヘッドが生まれ変わったペルチェクーラー「小雪」をご紹介しましたが、この際、温度調整基盤も専用に作り直そう!と言うことで、先日から情報収集してました。なんせ、電気の修理はプロでも、電気の回路設計はド素人なので♪

すると、回路に疎い僕でも判りやすいページに辿り着きました。
ファンコンを作ろう!(3/5)|へっぽこプログラマのページ
なるほど。こうやって回路を組むのね。

で、これをベースに、僕のペルチェクーラー向けの回路を考えてみました。

ペルチェクーラーの温調回路

もちろんこれは温調基盤部だけなので、右側のリレー部には別途ペルチェを通電するためのリレーと配線が必要です。

サーミスタTHは俗に103JTと呼ばれる10KΩ(25℃)のものを使用しました。

温度調整ボリューム周りは、サーミスタ10KΩに合わせて20~30℃程度を可変できるように、5KΩの可変抵抗(VR)と8.2KΩ(R3)を組み合わせてみました。サーミスタの温度特性(PDF)を元に計算したつもり。

また、ヒステリシス(オンオフの駆動マージン)は0.5℃を目指しました。今まで搭載していたノートパソコン組み込み用温調ボードはどんなに改造しても僕の頭じゃ2℃が限界でしたが、今回 はせっかくの自作なのでここは絶対に譲れないと決めてました。で、サーミスタの温度特性を片手にへっぽこプログラマさんのページでせっせと計算した結果、R5には2.2MΩあたりを入れたら良いんちゃうの?と結論付けました。

で、今回はNJM2403と言うコンパレータIC(2点の電圧比較によりオンとオフを得るIC)を使ってみたのですが、これの良いところは、出力電流が大きいので、リレーが直接駆動でき、回路が単純にできる!と言うところでした♪

が、実際に組むと動かない。。。
調べてみると、ICの出力電流が最大15mA、用意したリレーの駆動電流が16.7mA。。。確かにちょい足らない(汗)
で、結局上図のように、スイッチング用トランジスタを組み込むことに。手元に2SC1815のGRがあったのでそれを。ちっ。このICじゃなくて良かったやん。。。

ちなみにトランジスタのベース抵抗(R6)は、およそリレーを駆動できるだけの最低限の値としました。GRの増幅率がおよそ200~400なので仮に200として、リレーの駆動電流が16.7mAなので約20mAとして、これを満たすためのベース電流が0.1mAですから、12Vから逆算して約120KΩ。ま、100KΩでちょい多めに流しても良いかな、と。(厳密にはトランジスタ自体にも0.6V程度の電圧降下があるけど、そこまで厳密には出してない)

いざ通電。おぉ!とりあえずリレーは駆動しただわ♪
とは言え、ギャギャギャギャ・・・・。激しいチャタリング発生(曝)
すかさずネット徘徊。。。答えに辿り着かず。。。
仕方が無いので、無い知恵絞ってあちこちにコンデンサを入れてみた。すると、ヒステリシス用2.2MΩ(R5)に並列に1μFのコンデンサ(C3)を入れるのが最も具合が良いことを発見。これで良いのかどうか知らんけど、とりあえず用件満たすからOKと言うことに(笑)

そうして完成したのがこれです♪

実際に組みあげた温調基盤

苦労したのは、スペースの都合上、基盤4×18ピッチ内に収めなきゃあかんかったこと。また、パーツの裏付けや、1ホールへ複数のパーツの脚を放り込むのは負けた気がするので、そんな可笑しなポリシーも貫きつつ(曝)、やむなくICの未使用の脚をカットしたり、ジャンパーが数箇所発生したりしました。
うむむ。不恰好だなぁ。。。ま、見なかったことにしよう♪

で、実際に小雪に組み込んでみたところ。

新温調基盤を搭載したペルチェクーラー「小雪」

しばらく監視したら、ヒステリシスは約0.3℃でした。要するに、25℃に設定したら、25.3℃でオンになり、25℃でオフになる、と言う感じ。おぉ!素晴らしい♪
でも計算では0.5℃のはずなんだけど(汗)。チャタリング防止にR5に並列に入れた1μFのせいかな?
で、試しにこれを2.2μFにしてみたら更に敏感になりました(曝)。0.1℃あるかないかでカチャカチャリレーが切り替わります。うーん。。。これは不味い。で、1μFに戻す(笑)
回路理論が判らないので、深追いはしない♪

とりあえず、満足のいく仕様に仕上がりました。
コンパレータICも80円くらいだし、パーツ代全部足しても数百円くらいです♪
ペルチェクーラーの自作をご検討の方は、ちょっと頼りないけど参考にしてみてください。もちろん、保証はしませんので自己責任で♪
でもちゃんと動いてますよ(汗)
あとは、親切な方から修正案を待つだけ(曝)

この時期、ペルチェクーラー「小雪」のページには国内外からかなりのアクセスがあるんですが、多分ほとんどが温調基盤でつまづくんだろうなぁ、と以前から残念に思ってました。でもこれで少しは悩みも解消できたかしら?

あ。そうそう。
前回、水冷ヘッドがかなり省スペース化されたので、今回、デジタル水温計が筐体埋め込みになりました♪
ちょっと格好良くなったでしょ?

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高知遠征・其の四(まとめ篇)

この記事を含むタグの全記事リスト: ヤドカリ散策 高知

高知遠征、第4部です。第1部はこちら第2部はこちら第3部はこちら

今回の遠征で僕が遭遇したヤドカリは以下の通りです。寒くてシュノーケルはほとんどしなかったので、丘からの観察ばかりでした。

  1. ツマジロサンゴヤドカリ
  2. ウスイロサンゴヤドカリ
  3. クリイロサンゴヤドカリ
  4. ユビワサンゴヤドカリ
  5. ベニワモンヤドカリ
  6. イソヨコバサミ
  7. マダラヨコバサミ
  8. タテジマヨコバサミ
  9. Diogenes pallescens
  10. Diogenes klaasi
  11. ホンヤドカリ
  12. ユビナガホンヤドカリ
  13. クロシマホンヤドカリ
  14. ヤマトホンヤドカリ
  15. ケアシホンヤドカリ
  16. ホシゾラホンヤドカリ
  17. アオヒゲヒラホンヤドカリ
  18. ヒメケアシホンヤドカリ

その他、おまけでムラサキオカヤドカリなど。

今回お持ち帰りしたのは、マダラヨコバサミ×2、タテジマヨコバサミ×2、Diogenes pallescens×2、Diogenes klaasi×2、ヒメケアシホンヤドカリ亡骸(汗)、あと5cmのクロナマコもゲット♪
一気に水槽が賑やかになりました。

ところで・・・。
今回、視力が更に悪化していることに気づきました。
甲長1mmクラスのチビヤドカリの識別がかなり困難になってます(汗)
どうしよう。。。そろそろ老眼鏡のお世話になるのかも(涙)

今回、同行した皆さん、ありがとでした!
またの機会によろしくです♪

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高知遠征・其の参(ホンヤドカリ篇)

この記事を含むタグの全記事リスト: ヤドカリ散策 高知

高知遠征、第3部です。第1部はこちら第2部はこちら

D. klaasi が居た海岸に続いて、別の磯もあちこち回りました。
やはりどの海岸でも、水辺を制するのはホンヤドカリです。
一般的に普通に見られるホンヤドカリの仲間として、海岸線ではホンヤドカリユビナガホンヤドカリ、少し磯に進むとクロシマホンヤドカリヤマトホンヤドカリ、たまにイレギュラー的にアオヒゲヒラホンヤドカリケアシホンヤドカリホシゾラホンヤドカリなどが見られました。今回は残念ながら、アカシマ系やイクビなんかは見つけられませんでした。

しかしです。
今回、僕はあまり新顔を期待してなかったのですが、なんと!しばらくぶりに磯観察歴を1種更新してしまいました♪
その名も、ヒメケアシホンヤドカリっ!!!

ヒメケアシホンヤドカリ正面

この胸の高鳴りはしばしご無沙汰でした♪
これで僕のヤドカリ磯観察歴は78種(不明種込みで84種)になりました♪

この子は干潮帯のやや先端で、水路の走る石の下に隠れてました。水深で言うと20~30cm。丘からの観察です。このような環境では、まず石をめくるとクロシマホンヤドカリの幼稚体がワラワラと多く見られ、時にヤマトホンヤドカリなんかも見られます。この時も例に漏れずそんな面々でした。
加えて今回はその中に一匹だけケアシホンヤドカリが混じってました。しかし、すぐに違和感を覚えました。それは、石をめくった際に、驚いて殻に閉じこもっていたのですが、その姿勢はいつものケアシシリーズ(ケアシ、ホシゾラ、ヨモギ)のそれとは大きく異なっていたからです。ケアシシリーズであれば正面を向いて鋏脚で蓋をする、と言う姿勢になりますが、この子は大きな体が殻に収まりきらず、横向きに窮屈そうに収まる、と言った感じでした。どちらかと言えば、その形状はイダテンヒメホンヤドカリかエビスヤドカリ系に似て見えました。

ヒメケアシホンヤドカリとケアシホンヤドカリの隠れ方の違い

そこで、そのケアシを取り上げ、シゲシゲと観察してみました。

全身に黒点が点在しない→ケアシではない
全身に白点が点在しない→ホシゾラではない
黒のリストバンドがない→ヨモギではない

消去法では、上記のいずれにも一致しません。
まさか・・・これがヒメケアシホンヤドカリ!?
さらに注意深く観察します。

ヒメケアシホンヤドカリ背面

眼柄が白く、縦にラインが入っている。。。

ヒメケアシホンヤドカリ決定~♪

おとうさーん!おかあさーん!エイジはついにやりました~♪

しかし、ペットボトルに入れてたら、酸欠で死んじゃいました(汗)
せっかく飼ってみようと思ってたのに。。。
でも、せっかくの機会なので標本写真を撮りました。

ヒメケアシホンヤドカリ標本

腹部が腐って残ってませんが、主な特徴は読み取れると思います。
まず、眼柄が白く、背面から見るとギリギリ3本の線が確認できます。これが他のケアシシリーズと大きく異なる点です。他のケアシシリーズでも、幼稚体のうちは上半面と下半面で色の濃淡があり、見る角度によっては「線」に見える場合もありますが、ヒメケアシホンヤドカリの線はどこから見ても明らかな線なのです。
次に、第一触覚も紅白のツートンで、この点でもケアシやホシゾラと異なります。ヨモギは赤と緑のツートンですし。
その他、全身に黒い点も白い点も存在せず、鋏脚もかなりスリムです。やはり総合的に見ても、ケアシと言うよりはイダテンの形質にそっくりです。色彩はまったくの別物ですけどね。

では、今回コンプリートしたケアシシリーズの写真での比較をご覧ください。

ケアシシリーズの比較

うーん。こうしてみると、ヒメケアシは益々ヒメホンヤドカリ属に見えますね。実は遺伝的にも、ホンヤドカリよりヒメホンヤドカリに近いんじゃないの?ってくらい、ケアシには見えません(笑)

今回、僕の成果はこのヒメホンヤドカリのみとなりました。
でも他のメンバーは、かなり成果があったと思います。
特に、僕でさえまだフィールドでは見たことの無い驚愕のヤドカリを見つけた方がいらっしゃいます!?恐らく、本州初記録になると思われます。すげえッ!!!
お陰で僕のヒメケアシホンヤドカリの立場が・・・(泣)
さて。それはいずれメンバーのブログで明らかになるでしょう♪
お楽しみに!

つづく。

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