2015最新システムLEDライト第五弾(ラスト)は、eco-lamps KR93SPです。
今回は特にバッサリと最短で参りましょう~♪笑
eco-lamps KR93SP 外観

かれこれ過去4年間、同じ外観/同じスペクトル設計で走り続ける超ロングランKR93SPですが、レンズがプリズム化したり、サーマルプロテクタ(温調機能)が付いたり等、小さな変更はたびたび実施されてきました。また、LED素子の出力や波長精度も年々進化しているので、現行ロットがもっともハイスペックであることは言うまでもありません。
ただ、売る側としては早くモデルチェンジして欲しいのが本音だそうですが、僕としては今のところまったく必要性を感じてなかったりして(曝)
うーん、、、WiFiとかあると便利ですかね?
一度設定したらそうそう滅多に設定しないし、その都度本体で設定すれば用足りると思うんだけど。。。あ、eco-lampsは付けたがってるみたいですが(笑)
搭載素子数が多いから、出力も基本1W駆動で十分だし。。。
でも3W駆動くらいまで引き上げた方が市場は喜ぶんだろうなぁ~笑
ただ、スペクトルに関しては、もう触る余地がなくて。。。汗
たまに380nm等のUV-Aの要望もあるけど、コストや需要を考えたらそれはバイタルウェーブの仕事だし、作るならいずれバイタルウェーブのラインナップとして考えますよ。 それか、UV素子やUV用レンズがさほどコストアップにならない時期が来たら採用はあり得るかな。 間違っても、素子を入れた事実だけで満足しちゃうとか、実質の波長強度が確保出来ずに妥協する、なんてお粗末だけは絶対に許されませんから。
eco-lamps KR93SP ビーム角

うーん、Hydra見ちゃうとダメだなぁ。。。面積では勝ってるのに、物足りなく感じる(汗)
次の案は、サークルもサイドも同じ75°にして、その分出力アップさせますか?
フレネル加工も、、、素子数が多いからコストが掛かるかなぁ?
ま、その時はAIに相談してみよう。引き替えにフルスペの技術相談受けたりして?笑
て言うか、どのみちフレネル加工を真似するなら事前にAIに話通しておきたいしね。
eco-lamps KR93SP 採用LED
またまた撮り忘れ(汗)
他社の製品は興味津々だから真っ先に分解する(曝)けど、KRはいつも見慣れてるから分解する発想が出ない。結果、返却してから撮り忘れに気付く、みたいな(苦笑)
でも、たまたまレンズ越しの写真があったので参考まで。

はい。いつもの汎用パッケージです。でもUV系はどこよりも強い最強ランクです♪
一応、波長精度はこうなってます。
採用LED素子 |
公称データ |
実機データ |
実測波長 |
KR93SP-24S |
KR93SP-30S |
UV |
Epileds 400nm |
○ Epileds |
400.2nm |
400.3nm |
BlueViolet |
Epileds 425nm |
○ Epileds |
426.4nm |
425.6nm |
RoyalBlue |
Epileds 450nm |
○ Epileds |
450.1nm |
449.8nm |
Blue |
Epileds 475nm |
○ Epileds |
473.7nm |
474.5nm |
Cyan |
Epileds 500nm |
○ Epileds |
500.3nm |
500.7nm |
CoolWhite |
Bridgelux 8000K |
○ Bridgelux |
- |
- |
NeutralWhite |
Bridgelux 4000K |
○ Bridgelux |
- |
- |
一般的によく言われるLEDの波長誤差はよく±5nmなんて言われますが、こうしてみるとKRは±1nm、ズレても±2nmで収まってるようです。素晴らしい!笑
eco-lamps KR93SP スペクトル
まずは、KR93SP-24S。

続いて、KR93SP-30S。

スペクトルの説明は今さら不要ですよね。白chが太陽、青chが深度、2つを調光して海中スペクトルを再現、と言うコンセプトです。調光を失敗することも無いし、どう混ぜても海が浅いか深いかにしかなりません。生体にもっとも優しい安全設計です。
注意点としては、上記スペクトルはいずれも本体中心直下のスペクトルですが、KR93シリーズは筐体全体に7種類の波長のLED素子が一定パターンで順に配置されているため、素子密集ユニット製品とは違い、測定ポイントによってスペクトルがやや変化すると言うことです。そのため、サイズ毎の中心直下スペクトルも結構変わります。その意味もあって、ど真ん中にサークルがある24インチと、ど真ん中にサークルがない30インチの2タイプを測定しました。また、24インチはその中心サークルにムーンLEDも持っているため、450nmも多くなります。結果、KR93SPは測定ポイントによってスペクトル中の400nm/425nm/450nm/475nmのピーク高がピコピコ上下することになります。

* KR93SP-24Sの各サークル直下のスペクトル変移 (測定:MK350+スマホ)
ただ、せいぜい1-2割前後の振れなので、水面の揺らぎと相まって良い感じの海面キラキラ波紋効果が得られそうだなぁ~♪とポジティブにお考え頂ければ幸いです(笑)
そして、公称スペクトルと実測スペクトルの比較。
まずは、KR93SP-24S。

続いて、KR93SP-30S。

うーん。。。我ながらキモチイイ(笑)
思い起こせば、4年前に設計したフルスペクトル最終案がコレ↓(左)です。

「進歩が無い」と受け取るか、「完成された」と受け取るか、判断はお任せします(笑)
ただ、他社がスペクトルに迷走する中、安定のフルスペクトルを供給し続けたのも事実。
結果、他社は過去のスペクトルに対する責任から、アップグレード対応の道を残しました。
しかしそれもまたプロの仕事です。迷走と波紋だけを残した製品も多い中。。。
フルスペの場合は、当時予定していたSemiLEDsのUV素子が運悪く調達不能になり、急遽別の大光量UV素子を探す羽目になって焦りましたが、今思えば運命だったのかな。お陰で今も現役でフルスペの最強UVを支えてくれているEpiledsとの出会いに繋がりましたから。それがグラフ(右)のエピソードです。それで勝手にスーパークール・マリンブルーみたいなスペクトルになりました。狙った訳じゃないけど結果オーライ(苦笑)
その後は、ブルー系の光量も徐々にUV系に追いつき、現在の山切りカット品質に(笑)
その間も、スペクトルの基本設計は変わることなく、今に引き継がれているという訳です。
いやぁ~、我ながら未来を見越した良い設計をしましたなぁ~♪笑
eco-lamps KR93SP 操作性
操作系は、シンクロ機能が追加された2012年以降、ほとんど変わっていません(笑)
今後、その長寿記録がどこまで更新されるのか。。。汗
なんて、それだけじゃあまりに寂しいので、ちょっとだけ色気も見せておきます(笑)
と言っても、あくまで過去の提案や実験程度のモノですが。

スマホアプリのイメージは最近eco-lampsが送ってきたモノですが、どうやらeco-lampsが現在独自に製造販売しているKRV5と言うモデル用に試行錯誤しているスマホアプリ画面イメージだそうです。そこへ僕がフルスペのスペクトルを重ねてみました(笑)。確かにこうして見ると、WiFiも良いなぁ~♪ ・・・あれれ?爆
本体LCDイメージは、かれこれ1年ほど前になりますが、将来的なKR用にどうか?と言うのでテスト表示画像を見せてもらった際に、試しにスペクトルも表示させてみて!とお願いしたモノです。エライやっつけスペクトルですが(爆)
あぁ。。。本体画面にこんな表示を出せたら最高だなぁ。。。と夢見て早1年。。。
月日の経つのは早いモノですね(爆)
と言うわけで、引き続き気長にお待ちくださいませ。いつか花を咲かせてみせます♪
eco-lamps KR93SP PAR分布
最後に、お役立ちPAR/Wattグラフをどうぞ! (クリックで大画像)
まずは、KR93SP-24S。

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続いて、KR93SP-30S。
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30cm距離のPAR分布は、サークル55°ビームがてきめんに効いて鋭い!痛そう!笑
ただ、横方向や45cm/60cmで見れば、やはり面発光のメリットが出ていますね。
なぜKRがコストに反してまで水槽毎にサイズを用意しているのか、コレが答えです。
水槽毎に少しでも省エネに、少しでも大光量に、少しでも満遍ないPAR分布を、と。
さらに、本来ならばKRは1W駆動の恩恵で王者に君臨するはずのPAR/Watt。。。
でも、悔しいことに、HydraにもRadionにも僅かに負けちゃいました。。。
そう考えたら、CreeやOSRAM等の大手メーカーの超高効率LED素子は凄いなぁ。。。 特にOSRAM LD CQAR(440nm)の1200mW@700mAなんてバケモンですね。 恐っろしい時代になりました。そんなの5W駆動された日にゃ勝てる気がしません(汗)
ソレに勝つには、同じバケモンを1W駆動で大量に並べるしか。。。曝
最後に、KR93SPのオススメポイントをまとめます。
- 業界トップのUV域390-420nmの光強度!
- 海中のワイドバンドブルー400-500nmを完全再現!
- 太陽の白chと深度の青chによる直感的な調光システム!
- 1W駆動×多素子による高効率&大光量!
以上、KR93SPのレビューでした。
次回、今回のレビューの総括を簡単にまとめたいと思います。
こちらのエントリーもどうぞ♪
2015最新システムLEDライト第四弾は、EcotechMarine Radion G3 Proです。
今回もサラッと軽快に参りましょう~♪
EcotechMarine Radion G3 Pro 外観

初期のG1と比べると、UV系素子が追加され、ファンガードが格好良くなりましたね。
天面の操作性も、やはりタッチパネル方式から物理スイッチ式に変更されました。
あとは、ファンの吸気面をXR15wのように天面に変更して、その分真ん中の空いたスペースに1ユニット追加して、さらに本体でも全ての操作性を確保して、ついでに指紋フリーなツヤ消し塗装にしてくれれば、、、望みすぎ?汗
EcotechMarine Radion G3 Pro ビーム角

Hydraのフラットな光分布を見てしまうと、ちょっぴり見劣りしますね(汗)
そのせいか、見た目は80°というより、全域フラットな60°、という感じです。ま、それはそれで普通の60°より断然優秀ではありますが。
でも波長の混ざりはグッド! こういう時、LED素子が密集した構造は有利ですね。
元々レンズが無かったことを考慮すれば、これは革命的進化です!
EcotechMarine Radion G3 Pro 採用LED

採用LED素子が公称通りなんて当たり前だと何度も書いてきましたが、なんと!?
Radionは公称より良いモノ使ってますやん♪
採用LED素子 |
公称データ |
実機データ |
実側波長 |
UV |
SemiLEDs |
○ C3535U |
404.5nm |
Indigo |
SemiLEDs |
○ C3535U |
414.7nm |
DeepBlue |
OSRAM OSLON SQUARE |
○ LD CQAR |
443.5nm |
Blue |
Cree XP-E |
◎ XP-E2 |
469.6nm |
Green |
Cree XP-E |
◎ XP-E2 |
521.2nm |
Yellow |
OSRAM OSLON SSL |
○ LY CPDP |
601.9nm |
HyperRed |
OSRAM OSLON SSL |
○ LH CPDP |
666.4nm |
CoolWhite |
Cree XP-G2 |
○ XP-G2 |
- |
BlueとGreenに最新のCree XP-E2をしれ~っと使ってるなんて!!!
Cree XP-Eを謳っておきながら、な~んて奥ゆかしい!!!
某社に爪の垢を飲ませたいね。。。
EcotechMarine Radion G3 Pro スペクトル

まず、安心してください。
Radionのブルー系はちゃんと440nmと470nmに分かれたワイドバンドブルーです♪
ま、440nmが強すぎるけど(汗)
が、AI Prime/Hydraでも書きましたが、UV素子の光量ランクをもっと上げて欲しい!
なんでこんなにUV系が弱いんだろう。。。理論上、もっと強いはずだけど???
波長強度分析講座:
と言う訳で、UV系400nm/420nmとブルー系450nm/470nmの波長強度関係について、LED素子の理論値と実測値にどれだけの差があるか、ザックリと分析してみたいと思います。数字が苦手な方は飛ばしてください。
- チャンネルUV/RoyalBlue/Blueは同じ4素子ずつなので、
相対的には1素子ずつの強度関係と見なせる
405nm×2+415nm×2 : 440nm×4 : 470nm×4
∴ 410nm(簡略) : 440nm : 470nm
- Radionの採用LED素子の最高光量ランクの参考値は、
410nm:850mW @500mA (SemiLEDs C3535U) データシートより
440nm:1300mW @700mA (OSRAM LD CQAR) データシートより
470nm:535mW(45.7lm) @350mA (Cree XP-E2) データシートより
- しかし、Radionは波長毎にドライブ電流を変えているので、
410nm:2.5W駆動 (@600mA=@500mA×1.2倍) データシートより
440nm:5W駆動 (@1500mA=@700mA×1.8倍) データシートより
470nm:3W駆動 (@700mA=@350mA×1.7倍) データシートより
- 採用素子にドライブ倍率を反映させると、
410nm:850mW ×1.2 = 1020mW
440nm:1300mW ×1.8 = 2340mW
470nm:535mW ×1.7 ≒ 910mW
- よって、各LED素子が最高ランクの場合はこのような波長強度関係になります。

しかし実測スペクトルではここまでUV系は強くありません。
- そこで、より実測スペクトルに近づけるために、
410nmを最低ランクにし、440nmを1ランク下げてみます
410nm:600mW(最低ランク) ×1.2 = 720mW
440nm:1210mW(2位ランク) ×1.8 = 2178mW

440nmと470nmはほぼ実測通りになったけど、UVがまだ強い。。。
もしかしてSemiLEDsの最新C3535Uじゃなくて旧C35L-Uなのかも?
- と言う訳で、410nmを旧C35時代の最高ランクにしてみます
410nm:360mW @350mA (SemiLEDs C35L-U) データシートより
= 2.5W駆動 (@600mA=@350mA×1.5倍) データシートより
= 360mW ×1.5 = 540mW

はい。これなら実測スペクトルとほぼ同じ波長強度です。
ま、公称では「SemiLEDs」とはあるけど「C3535U」とは書いてないので、
恐らくC35L-Uに間違いなさそうです。
C3535Uなら最低でも420mW@350mAはありますからね。
UV系出力に関する結論:
440nm/470nmと同様に、UV系も最新最高のランクを採用して欲しい。特にUV系をSemiLEDsにこだわるなら、最新C3535Uの高ランクを使わないと、旧C35L-UじゃまともなUV域は確保できないので、それができないなら素子数を倍以上に増やすとか、潔くEpiledsに変更するとか、その上で高ドライブで回すならデュアルチップ化するとか、色々と解決策はありますから、EcotechMarineもAIも決して現状に妥協せず徹底的にこだわりを見せて欲しいです。 かつて同じ問題を抱えていたMaxspectやIllumagicも、今では見事に克服しましたからね。Illumagic STYLEなんて、去年台湾のIllumagic本社で測りましたが見事なUV域でしたよ! そのうちご紹介しますね♪

Maxspect Razor M15000K / Illumagic STYLE
UV要求種への対策:
ただ、決して現状のRadionがダメって訳ではなくて、よほどUVを要するサンゴにはスポットLEDでピンポイントに対応するやりかたもメジャーになってきました。以前イチゴ特集でご紹介したたらふく氏もそのひとり。Radion+VitalWaveスタイルで実績を上げておられます(写真左)。この方法なら、RadionだけじゃなくT5でも効果に期待が持てますよ♪
それに、なんだかんだで補助灯にはE26ソケットのスポットLEDが便利ですしね。

また、雫來雫來雫來
話を戻して、Radion G3 Proの公称スペクトルと実測スペクトルの比較です。

うん。これは正しいね♪
信用出来るスペクトルをメーカーが当たり前に公表している。。。
うん。良い時代になったぜ!
EcotechMarine Radion G3 Pro 操作性/オプション
実は僕はRadionの操作が苦手です(汗)
そもそも照明の設定如きに、いちいちクラウドにログインさせられるのも腑に落ちないのに、その上操作方法も判りづらく、たまに使う頃には手順を忘れてます(汗)
また、付属のUSBケーブルがさほど長くないので、PCの横で作業しなきゃならない。
しかも僕の場合、RadionがスペクトロメーターのCOMポートと競合するみたいで、まともにスペクトルを測らせて貰えない!←コレが一番煩わしい(笑)
などなど、決して便利には思えないし、むしろ次世代感が空回りしてる気が。。。汗
基本性能は良いと思うけど、これは絶対多くの商機を取り逃してると思うなぁ。。。
まず操作の前に、EcoSmart Liveにログインするためのアカウントが必要です。これは必要事項を送信すればすぐに登録できます。その後、USB経由かWiFi経由でRadionの検出と登録を行い、その後操作が可能になります。僕はUSB経由&マニュアル調光しかしたことがないので、操作方法はLSSの動画やサポートをご利用ください。

* パソコンのブラウザの画面
そして、僕が冒頭で熱望した理想のRadionはこんなイメージ(笑)

これで僕みたいにハイテクが苦手なアクアリストも取り込めるやん♪
だって、スマホやパソコンからの操作も格好良いけど、基本性能としての本体の操作性は絶対に削っちゃダメだと思うの(僕の価値観)
それに、ユニットを1つ増やせば消費電力を落としても光量は確保出来るから、これならHydraのPAR/Watt記録を塗り替えられるよ!
でもディスプレイは側面の方が良いかな?
あ、あとファンの位置は単純に塩害対策です。そもそも水面側に設けてはダメよダメダメ。
EcotechMarine Radion G3 Pro PAR分布
最後に、お役立ちPAR/Wattグラフをどうぞ! (クリックで大画像)

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まず、30cm直下のPARを見てくださいよ。。。1000オーバーですぜ?汗
しかもユニット直下なんて1200オーバーなんだぜ?大汗
いくら160Wオーバーとは言え、こりゃただの電力食らいじゃないぜ!
ま、Radionは1ユニットあたりのLED素子数がダントツに多く密集していて、且つ最大5W駆動のチャンネルもあるので、ユニット直下はとんでもない大光量になるのも無理はありません。問題はその太”っとい光量を如何に均一に配分するか、それがレンズの仕事です。
しかし、Radionのレンズも良くできていて、フラットなPARの分布も素晴らしいですが、84×60cm2に分布するPARの総量が30cmでなんと46000オーバーですよ!
これは今回のレビューでもダントツのPAR量でした。Hydra 52でも40000オーバー、フルスペ30インチでも42000オーバーでしたから。
初期のRadionはレンズ非搭載だったのに、思えばかなり劇的な進化を遂げましたね。
暗い暗いと思っていたら、いつの間にか光量でフルスペを追い抜いていたとは。。。汗
そうやってRadionは、レンズもUV系も希望通りに進化してきましたから、あともう一歩足りないスペクトルもまだまだ進化してくるでしょうね。フルスペもついに世代交代か!?
ま、さすがにその頃にはフルスペもモデルチェンジしてるか? じゃないと困る(笑)
そうして、これからも各社が切磋琢磨して、サンゴにとってもアクアリストにとっても、より良いLED製品が磨かれていくことを望みます。そのためにも僕は、今後も辛口レビューを続けていくことでしょう。
Radionの評価もなかなか明暗が分かれましたが、オススメポイントをまとめると、
- 超高効率LED素子採用&高出力ドライブによる高効率&超大光量!
- 高性能レンズよる光量差の少ないフラットなPAR分布!
以上、最新Radion G3 Proのレビューでした。
(2015/6/27オススメポイント書き忘れ追記)
次回はラストレビュー、eco-lamps KR93SPです。
こちらのエントリーもどうぞ♪
2015最新システムLEDライト第三弾は、AI Hydraです。
今回もあっさり簡潔に参りましょう~♪
AI Hydra 外観
写真はHydra 52ですが、これを半分にしたモノがHydra 26になります。
数字はLED素子数です。52=13×4、26=13×2 (1ユニッあたり13素子)。
元祖Hydra(5×4=20素子)と区別するためのネーミングでしょうね。

一見、DIY照明のような簡素な作りに見えますが、まあ、容姿は問題ではありません。
旧デザインを引き継いだのも、旧製品のアップグレードに対応するためでしょう。
AI Hydra ビーム角
見た目のビーム角は60°にも70°にも見えますが、とんでもない、よく見てください。

巷の集光レンズの特性にありがちな光の中央集中が見られず、照射面に対して全域にフラットな光量分布ですぜ!
しかも、この光の混ざりは秀逸!
これは素晴らしい!!!
その秘密は、この独自レンズ、通称ドングリレンズにあるのだ!(今僕が命名した笑)

まず、レンズ高がすごくあるんですよ!
恐らく構造上の必然によるモノだと思いたいのですが(笑)、もし意図的に光の拡散に必要な屈折条件を満たすためにこの高さにしたのなら、僕はAIを尊敬します。正直、巷の汎用80°レンズでは、このHydraのようにワイドとフラットが見事に両立されたレンズを見たことがなかったので、このレンズの特性を見た時、マジで嗚咽を漏らしました(曝)
しかも、レンズ表面は一見タダのフロスト加工のように見えますが、よく見て!

まさかコレ、フレネル加工なのか!?
だとしたら、広角にも寄与するし、ブレンド性にも寄与するはず。。。わなわな。。。
やばい。。。このレンズ、僕も作りたい(曝)
まあ、透過ロスやUVロスの度合いを調べてからだけど。
とにかく、久しぶりに他社製品に嫉妬しました(汗)
AI Hydra 採用LED

またまた当たり前ですが、採用LED素子も公称通り!笑
過去に見た他社のスッゴイ詐欺の話は、、、そろそろ特集組もうか?
採用LED素子 |
公称データ |
実機データ |
実測波長 |
Hydra 52 |
Hydra 26 |
UV |
SemiLED 400nm |
○ C3535U |
411.2nm |
409.3nm |
Violet |
SemiLED 415nm |
○ C3535U |
417.2nm |
422.1nm |
DeepBlue |
OSRAM OSLON |
○ LD CQ7P |
449.6nm |
446.0nm |
RoyalBlue |
Cree XT-E |
○ XP-E2 |
451.0nm |
449.9nm |
Green |
Cree XP-E2 |
○ XP-E2 |
521.1nm |
519.4nm |
DeepRed |
OSRAM OSLON |
○ LH CPDP |
665.0nm |
665.5nm |
CoolWhite |
Cree XP-G2 |
○ XP-G2 |
- |
- |
ただ、このHydraの波長に関しては、やや不可解なことが。。。
AI Primeの時は、お手本のように等間隔に波長が分割され、405/420/440/470nmのようなフラットな分布を実現していましたが、このHydraに関しては、僕はちょっとスペクトルデザインの意図が判りませんでした。
まず、UVの公称400nm→実測410nmは、まあなんとかバラツキの許容範囲と言ってもやむを得ませんが、問題は、ほぼ同一の波長であるOSRAM DeepBlueとCree RoyalBlueを何故わざわざ併用したのか?と言う点です。
いや、今回はバラツキのせいで結果的にたまたま同じ波長になっちゃったけど、本来は440nmと450nmのブレンドが目的だったのか? いやいや、それにしても僅か10nmで近接する波長を混ぜるくらいなら、450nmと470nm、または440nmと470nmで組み合わせた方がブルー帯域をワイドバンドに確保出来たのに、、、これは一体???
ま、とにかく次項のスペクトルをご覧ください。
AI Hydra スペクトル
まず、AI Hydra 52のスペクトルです。

そして、AI Hydra 26のスペクトルです。

DeepBlue(D-BLUE) と、RoyalBLue(ROYAL) の波長が、、、同じです!汗
(強度の差は単純に素子×2ヶと素子×3ヶの違いです)
・・・もしこれが意図的な設計だと言うなら、理由を知りたいです。
あと、UV系も異様に弱いし。。。ま、それについては次回のRadionで徹底分析します。
今一度、AI Primeのスペクトルを見てみましょう。

Hydraより波長管理も全然しっかりしてるし、何よりワイドバンドブルーです。
結局、PrimeとHydraのスペクトルは、どういったコンセプトでデザインされたんだろう?
AI Prime |
カラー |
AI Hydra 52/26 |
LED素子 |
実測平均 |
差 |
LED素子 |
実測平均 |
差 |
SemiLED U60 |
405nm |
- |
UV |
SemiLED U60 |
410nm |
- |
15nm |
10nm |
SemiLED U70 |
420nm |
Violet |
SemiLED U70 |
420nm |
25nm |
28nm |
OSRAM SQUARE |
445nm |
DeepBlue |
OSRAM OSLON |
448nm |
25nm |
2nm |
- |
- |
RoyalBlue |
Cree XT-E |
450nm |
70nm |
Cree XP-E2 |
470nm |
Blue |
- |
- |
50nm |
Cree XP-E2 |
520nm |
Green |
Cree XP-E2 |
520nm |
- |
- |
なぜこのような仕様分けになったのか?
単にPrimeが後から発売された分、スペクトルデザインも最新に改善されただけなのか?
そして、Hydraの公称スペクトルと実測スペクトルの比較です。
まずはHydra 52から。

続いてHydra 26です。

えっと、これわね、、、どうやら公称スペクトルの解像度が間違ってるようです(笑)
「400」って書いてある部分が、多分420nmくらいじゃないかしら?
恐らくこういうことです↓

AIへの要望:
A demand to AI:
- DeepBlueとRoyalBlueを併用した意図を教えてください
Teach the intention that used RoyalBlue and DeepBlue to Hydra.
- 公称スペクトルを正しく訂正してください
Correct an official spectrum of Hydra right.
AI Hydra 操作性/オプション
Hydraは、本体だけ買っても点灯のオン/オフしかできません。調光やタイマー機能を利用するには、別途以下のどちらかのオプションが必須となります。

で、今回は左のリモコンを試してみました。
リモコンと言っても電池式ではなく、有線で電源供給が必要なタイプです。ま、WiFi飛ばすと電気食うから仕方ないですけどね。
ただ、スマホやタブレットの充電器と同様に、[USB]-[mini USB]のケーブルによってACアダプターと接続する形式なので、パソコンのUSBからも電源が取れるし、なかなか利便性は良いかもです♪
まず、通電してもそのままでは使えません。メニューから設定を実行して、近くのHydraを検出させ、同期させる、と言う手順を踏みます。その際、勝手に最新のファームウェア(多分リモコンに入ってる)でHydraが上書きされます。これ、同期させる度に更新させられるのですが、数秒程度なので特に苦にはなりません。ここまでのフローを終えると、リモコンから色々と操作が可能になります。(リモコン内のファームウェアを最新にするにはどうするんだろ?)
でもね、女性の方には、このリモコンの操作は辛いかも。。。
だって、このリモコン、、、めっちゃボタンが堅い!!!
ボタン自体はシリコンゴムのようですが、かなり強く押し込まないと「カチッ」と手応えがないし、その手応えがないと反応しません。なので、ピッピッピッと素早く操作することは困難で、どうしても、ポッチン、ポッチン、ポッチン、と言う感じの堅実な操作性になります(笑)
そもそもこのリモコンって、ご年配の方などスマホをお持ちでない方向けでもあるよね?
むしろボタンは軽くしておかないとダメな奴じゃん!笑
なので、スマホ持ってる人は、WiFiプラットフォームの方が楽かも?
ちなみに、実は似たような不便はKR90DRにもあったんですが、近々もっと押しやすいようにボタンを大きくするらしいです。多分、次回のディスプレイの変更の際に反映されると思われます。前回書き忘れてた(汗)
AI Hydra PAR分布
最後に、お役立ちPAR/Wattグラフをどうぞ♪ (クリックで大画像)
こちらはHydra 52。

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こちらがHydra 26。
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見たら判ると思いますが、HydraのPAR/Wattハンパねぇぇぇ!!!汗
はい。PAR/Wattが300オーバーというのは、実はHydraの事でした~♪
Hydraはあくまで2W駆動なので、3-5W駆動のRadionよりは高効率ですが、1W駆動のKRよりは本来効率は低いはずです。なのにKRよりもPAR/Wattが高い!?
確かにKRはOSRAMやCreeを使ってないので、厳密には青LEDや白LEDの効率は負けています。とは言え、それを補って余るあるはずの我らが1W駆動です。それを2W駆動が上回るには、LED素子の性能以外にもそれ相応の何か別の理由があるはずです。
はい。それがレンズの恩恵です(現時点での僕の見立て)
Hydraのレンズは、LED素子が発する光を余すことなく受け止め、如何に少ないロスでレンズ内を通過させ、しかも乱反射もなく全ての光線を漏れなく外へ放射させる。
恐らくそういうことだと思われます。
よってHydraは、超高効率大手LED素子&高性能レンズの合わせ技により、PAR/Watt 300オーバーを実現しているんだろうと考えられますね。
しかも、グラフをご覧の通り、凄くフラットでなだらかなPAR分布なのです。
普通のレンズなら中央に光が集中しやすいので、仮に中心PARが 1000 umol/m2/s あっても大して驚きませんが、このHydraはこのフラットなPAR分布にも関わらず、中心PARが1000以上ありますからね。もう本当にビックリです!
Dear Aqua Illumination, Good Job!!
Also do your best about wavelength management.
Hydraの評価はかなり明暗が分かれましたが、オススメポイントをまとめると、
- 超高効率LED素子採用による高効率&大光量!
- 高性能レンズよる光量差の少ないフラットなPAR分布!
以上、最新Hydra 52/26のレビューでした。
次回は、EcotechMarine Radion G3 Proです。
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