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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

汎用パッケージLEDで実現するワイドブルーバンド

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前回と今回のネタは、ヤフオクLEDユーザーにもスペクトル追求を満喫してもらうための、汎用パッケージ講座になっています。ハンダゴテをお持ちの方は、希望の素子を調達して、手持ちのヤフオクLEDのオリジナルスペクトル改造に是非トライしてみましょう♪
でもヤケドに注意してね!

さて、前回の講座では、シアン補完率の高いニュートラルホワイト白色LED ソウル半導体 P4シリーズ S42180をご紹介しました。もちろん、汎用パッケージの互換パッケージなので、ヤフオクLEDにも乗りますし、これを白のベース色として使えば、ヤフオクLEDのスペクトルが生まれ変わります♪

そして今回は、そのベース白色スペクトルに更に磨きをかけるべく、そこへ追加する青色LED講座をお送りします。もちろん、汎用パッケージで♪

え?
ただ青色LEDを足しゃええやん♪
ですって?

ノンノンノンノン。。。それじゃ、ヤフオクLEDと同じです。ちゃんと波長の判明している素子を調達して調合してこそ、試行錯誤したスペクトル計画が実り、目的のスペクトルが実現できると言うものです♪
そう、もう曖昧なスペクトルは卒業しましょうよ♪

鋭い方は既にお気づきのことと思いますが、最近のLeDioシリーズには、青の波長帯域を広く確保するために、波長の異なる青色LEDをブレンドしています。例えばLeDio 27 ReefDeepやLeDio 21e DeepBlueなどです。これらの製品には、Cree XP-E RoyalBlue(450nm)とBlue(470nm)の2タイプのLEDが採用されていて、かなり太い青色の帯域が実現されています。そう、それだけサンゴの蛍光タンパク質の発色トリガを多く持つと言える訳です。

くぅぅぅ!!!
ヤフオクLEDでも実現してぇぇぇ!!!

はい。そんな雄叫びが聞こえました。
頑張って探しました。
これでどうかしら?

KingBright 454nmとVCC 475nm

左がKingBright社のBlue 454nm、右がVCC社のBlue 475nmです。VCCと言うメーカーはお初でしたが、見た目は完全に汎用パッケージですね(笑)
また、KingBrightもあまり馴染み無いかも知れませんが、LED業界ではよく知られていて、パッケージも良く見りゃまん丸だし、見慣れた汎用のそれとは微妙に違うようです。
共にいつものMOUSERからお取り寄せです。

メーカー Kingbright VCC
型番 AADG18080QB12S/3 VAOL-SB1XAX-SA
RoyalBlue (公称ではBlue表記) Blue
波長 454nm 475nm
出力 3W 1W
光束 20lm@700mA 32lm@350mA
価格 ¥376.8 ¥561.2

ちなみに、別々の通販から買えばもう少し別の選択肢もあったかも知れませんが、送料の関係からどうしても通販は一社でまとめたかった(笑)ので、今回はこのような選択となりました。でも、波長差としては十分でしょ?

では、ビーム比較から。

454nmと475nmのビーム比較

うーん。。。
ビーム角は別として、色は・・・同じに見えますね(汗)
あ、そうそう。嬉しいことに、KingBrightの素子はビーム角が100°のようですよ♪
どうも、チップの台座の高さが汎用パッケージより深く掘り込まれていて、レンズとの焦点距離が少し長くなってるっぽいです。

お次は、スペクトル比較を。

454nmと475nmのスペクトル比較

うーん。。。Kingbrightはほぼ公称通りだけど、VCCは10nmほど単波長側にシフトしてるような感じです。で、改めてVCCのデータシートを見ると、どうも475nmと言うのは最大値のようで、最低値が460nmとのことですから、標準的には467nm程度と思われます。それなら納得かな。
ま、あとは素子の色ランクによっても波長にはズレが生じるため、色ランクを指定買いしない限り、そこまでの精度は求められません。この辺が個人の限界ですね~。。。
それにしても、Creeはピッタリ450nmチップ使こうてるなぁ。。。苦笑

でもまあとりあえず、この454nmと475nmを混ぜて、それなりに太いブルーバンドを得ることは出来そうなので、ヤフオクLEDをいじり倒したい方は、是非お試しください♪

Kingbright + VCC スペクトル

このスペクトルは、ヤフオクLEDへの換装を想定した420mA駆動時の合成スペクトルで、Kingbright 3W定格20lm×0.68*=13.6lmと、VCC 1W定格35lm×1.1*=38.5lmを、各1素子ずつ混合した場合の合成スペクトル例です。バッチリ太くなるでしょ?
LEDスペクトラにも各スペクトルデータを追加しておいたので、こだわりのオリジナルスペクトル計画にお役立てください♪

* 各倍率はデータシートの電流光束特性から420mA時の倍率を算定した値

但し、注意事項です。
VCCの方は一応の定格上限が350mAになっているので、ヤフオクLEDの420mAで駆動するには、もう少しキャパのある素子を探した方が良いかも知れません。一応建前(笑)
で、本音は、実際に450mA程度で1時間程度試験してみましたが普通に点いてるし、1Wの素子で上限が350mAなんてギリギリな訳が無いやろ?と言う点や、データシートの電流光束特性の上限がギリギリ450mA程度まで記されている点からも、まあ、いけるんちゃう?と言う印象ではあります。ま、自己責任で。あるいは、ボンディングワイヤーが思ったより細いのかも知れんし(老眼で見えん曝)

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汎用パッケージで考える高演色LED

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前回は、それ単体で十分にフラットなスペクトルが実現可能な、シャープ銭型シリーズのLEDモジュールをご紹介しました。しかし、このLEDモジュールは独自の形状であるため、スター基板等の汎用用途には適していません。うーん。。。出来れば汎用パッケージ型の高演色LED素子があれば良いのだけど。。。

あ、実はあるにはあるんです。。。実体が見えないけど(曝)
お時間があれば、EdisonのAやSシリーズの古いデータシートを漁ってみてください。但し、公式サイトにはもう置いてないみたいなので、ネットで拾ってください。白色LEDモデルに混じってDxシリーズと言うのが出てくれば、それです。Aシリーズならv6版、Sシリーズならv5版には載ってます。これ自体は2009年時点で既に存在していたので、特に新しい素子ではありません。ただ、ずっと声を潜めていつか巡り会えることを楽しみにしてきましたが、結局2年待っても影も形も見えなかったので、諦めてご紹介することにします(汗)
ま、どのみち日亜特許に睨まれるかも判らんし。。。

現在有望な高い色温度の高演色白色LED(青+赤緑蛍光体)のスペクトル比較。
青混ぜなくても、これ単体で十分に白いアクア照明になるよ、って奴です。

青発光+赤緑蛍光体 5000K

でもな~、日亜は専用基板が必要になるし、銭型も取り付けに難があるので、可能ならば汎用パッケージのEdisonが欲しい。。。でも、今まで売ってるの見たこと無い。。。うむむむむ。。。

で、少し色温度を落として、4000K程度で妥協すると、また顔ぶれが違ってきます。

青発光+赤緑蛍光体 4000K

とは言え、やはりLedEnginにしろLuxeon Rebelにしろ、専用基板が。。。
でも唯一、ソウル半導体S42180ニュートラルホワイトが汎用互換パッケージの救世主♪

但し、このS42180をこのまま使うと、緑~赤の不要成分が強すぎるため、見た目にも赤っぽさが目立ち、海水の青さとは程遠い色味になります。よって、通常のクールホワイトもブレンドしつつ、欠落しているシアンを補完することで、これぞ完璧なフラットスペクトルを実現することができます。そう、それが太陽光ブレンドです♪
そして、そのフラットなスペクトルは光学測定でも実証済みです♪
(但し、UV素子は入れてないのでスペクトルの立ち上がりは420nm以降となります)

あらら。前置きが長くなりました。。。
今回は、そんなソウル半導体のS42180ニュートラルホワイトについてお送りします。

多分、以前チラッと?触れたことがあるかも知れません。ソウル半導体の白3種を使う際は、新しいバージョンではなく古いバージョンを使え、と(厳密にはx42180Hではなくx42180を使え、ですけど)。でも、その後の製品改良により、遂には根本的なスペクトル自体が更新されてしまいました。
うーん。。。今後の太陽光ブレンドはどうすべきか。。。

と言うことで、スペクトルの互換を確認すべく、新旧合わせて調達してきました。

ソウル半導体P4シリーズ S42180 新旧NW

見た目は全く同一のパッケージなので、目視による区別は無理ですねぇ。。。

型番 旧S42180-S2 新S42180-06-T2
カラー Neutral White Neutral White
色温度 4000K 4000K
演色性 Ra93 Ra93
光束 72lm 76lm
ビーム角 124° 126°
定格電力 3.8W 3.28W
定格電圧 3.25V 3.3V
最大定格 800mA 800mA
通販例 秋月 450 MOUSER 617.6
Digi-Key 558

光束が少し伸びたようですね。ビーム角も微妙に広角になってるし。。。でもデータ的にはあまり変わりない印象です。

実は、少し前から秋月での価格が大幅に下がりまして、もしかして旧S42180から新S42180に替わったんかしら?とも考えたのですが、今回秋月から調達した方の素子を見てみたら、貼付のデータシートが旧のままだったので、単に在庫一掃の値下げかな?と思われます。

と言うことで、恐らく間違いなく、新旧比較が出来そうです。
さあ、お約束のビーム比較とスペクトル比較です。

ソウル半導体P4シリーズ S42180 新旧NW ビーム・スペクトル

うむ。やはり公称スペクトルを表したかのような光色とスペクトル分布です。
・・・なんか最近、分光器からスペクトル曲線が視えるようになってきたような。。。曝

で、データシートからトレースした公称スペクトルがこちら。

ソウル半導体P4シリーズ S42180 新旧NW 公称スペクトル比較

あぁ。。。これなら代替できますね。結構結構♪
実は、以前のS42180Hもこれと似たようなスペクトルでしたが、シアンの補完率が2割しかありませんでした。でも、今回の新S42180であればシアンは倍の4割も確保されてるし、文句なしで旧S42180から移行できそうです♪
それに、シアンの落ち込みピークも490nmから480nmに移動してるから、シアンの補完じゃなくて、青の480nm寄りの補完でもいけますね。いや、むしろその方が良いかも。Vertex Illumina 200のように。。。
あと、IR(赤外)側の伸びもすごいなぁ。。。いつかメタハラ並みの赤外線が。。。曝

興味があれば、是非お試しあれ!
但し、太陽光ブレンドのように、クールホワイトやシアン(無理なら青)を混ぜて使うと良いでしょう。あくまでもシアンが確保できるベース白色、と言う扱いでね。単体で使うには赤すぎますから。。。

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高演色LEDでスペクトルリッチなLED照明を作ろう♪

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始めから答えが判っちゃうと面白くない方もいるでしょうけど、そこはそれ、空気を読んでお願いしますね(笑)

先日、いつものように秋月でお買い物をしていると、知らない間にシャープの銭型のミニ銭がラインナップされていたので、値段も安いし、試しに買ってみました。
5000KGW5BTC50K006500KGW5BTC65K00です。

シャープのMinuZENI

新旧ってほどではありませんが、便宜上、銭型を旧、ミニ銭を新とします。

ちなみに僕の中での最高の銭型は、過去に何度か紹介しているGW5BNC15L02(5000K)やGW5BNC15L12(6500K)等の、銭型シリーズ最高峰の高演色LEDモジュールです。さすが高演色を謳うだけあって、演色性もRa90を誇り、お陰でシアンの欠落も極力抑えられ、価格・入手性も考慮すると、もっとも天国に近い高演色LEDのひとつでした。例の太陽光LEDシステムの初号機にも採用しておりました♪

さあ、今回のMiniZENIはどうなのか?

まずはビームと光色を見てみましょう。僕のお勧めの旧銭型との比較です。

シャープ銭型、新旧ビーム光色比較

左側が旧銭型、右が今回のミニ銭です。
うん。色温度はほぼ同じですね。
そして嬉しいことに、公称通り、光量が僅かにアップしているようです♪
まあ、技術の進歩は速いですね~。
あと、型番が判りやすくなったのもグッド♪ (色温度が型番から容易に判る)

しかし、肝心なのはスペクトルだ!
今までも、光量を優先するあまり、スペクトルが犠牲になってきた製品をいくつも見てきた。きっとこのミニ銭もそうだろう。僕が崇拝してきた旧銭型のRa90の美味しいスペクトルには、到底敵うまいて。。。

ま、試しにスペクトルも見ておくか。。。

シャープ銭型、新旧スペクトル比較

え?

これ、普通に青+赤緑蛍光体による高演色LEDやん♪

・・・うっかりしてました!
当時、ミニ銭のデータシートを見た際に、記載されていたCRI値が旧銭型よりも低かったので、てっきりスペクトルも一般白色LED(青+黄色蛍光体)並みかと思い込んでました(汗)
そっかぁ。。。これ、高演色LEDだったのかぁ。。。僕としたことが。。。
しかも旧銭型と比較すると、5000Kは変わりないけど、6500Kはシアン補完率がアップしているように見えます♪ (と言うか、青チップの波長ピークがやや長波長側にシフトしているだけのようにも見えるけど・・・)

うおおおおおおっ!!!

では、今回のミニ銭の公称スペクトルを見てみよう。

シャープMiniZENIの公称スペクトルデータ

あああ・・・もっと早く気づくべきだった。。。確かにCRIが旧銭型より低い分、スペクトル完成度もやや劣って見えるが、価格を考えれば十分なスペックと言えるだろう。しかも、やはりシアンは相対値4割も確保されているため、これならシアン素子の追加は不要です♪
ただ、その反面、470~480nmがやや落ち込んでいる点が気になりますが、この帯域はごく普通のブルーLEDで補えるので、補完は超容易です♪

ありがてぇぇぇっ!!!

と言う訳で、これは使わない手はありません!
まずは簡単な自作例として、こんなのはどうでしょうか?

高演色LEDでスペクトルリッチなLED照明を作ろう♪

材料♪

あと、ハンダゴテとかハンダとか、、、お任せします。

あるいは、今回のミニ銭は3.6W型360mAだったので、上の回路では4ヶ×2列に分けて1列あたり350mAの分流としましたが、上位モデルの6.7W型640mA(最大700mA)のミニ銭を使えば、並列なしで直接4ヶ直列で接続することもできます。それでも消費電力はほぼ同じ29Wで、LED数は半分で済みます。ま、価格が倍ほどするのでコストはあまり変わりませんけど(笑)
でも、その場合のひとつのメリットとしては、空いたスペースへもう1つ同じ回路を足せると言うこと。そうすれば、(ドライバ+6.7W×4ヶ)×2=54W型が実現できます♪
但し、それくらいの熱量になるとさすがに外部ファンの設置が必須になってきますね。
あ、もちろん、3.6W×8=29Wの仕様でもファンがあればより安心・確実ですが、熱量的にはファン無しでもOKです(上記ヒートシンクを使う場合)

また、ヒートシンクへの穴あけ、タップ(ネジ切り)加工はしんどいと思うので、潔く硬化タイプの放熱シリコンでLEDモジュールを直接ヒートシンクへ接着してしまう方法としました。その方が楽でしょ?(笑)

これで材料費は15,000円弱、細かいもの入れても2万なんていかないわよ♪
海水のメタハラ代替LEDとして、水草にも贅沢なフルスペクトル♪
僕もそのうち作ってみたいと思います♪

また、こだわり派のあなたは、475nmあたりの青を補完しても良いですね♪
そうなるとUV(400nm)も入れたくなってきたりして・・・汗
でも面倒なら、LeDio 9等のスポットで、いくらでも青やUVは補完できます♪

重要なのは、メタハラに代わる本当の白をLEDで構築することです♪

解けないパズルで悩むのは、もうやめましょう!
解けるパズルがあるのですから♪

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