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201011月11

太陽光LED:即席シアン策、但し難あり

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既製の全てのアクアLED照明が抱えているシアン欠落問題を解決する手っ取り早い方法としては、まずはシアン(青緑色)のLED素子を該当照明に追加してみる方法が考えられます。昨日の投稿で案内したオリジナルブレンド4号機もこの方法により実現しています。メインのデモ機第3弾は違うけど。

ただこれは非常に作業効率が悪いようです。
と言うのも、これは経験からの推測ですが、光束や色温度がある程度管理されている白LEDと違い、単色LED素子の場合は光束を基準としたランク分けはあっても、波長のバラツキまでは区分されていないようなのです。要するに製造元の規定では、シアンの場合ならおよそ490~520nmの範囲であればOKってことになってるみたい。
しかしシアンと言う色はかなりシビアな範囲のようで、たった30nmの範囲とは言え、490nmだと青みが強いし、520nmだと完全に緑になってしまいます。ま、青い分にはむしろ嬉しいけど。。。いずれにしても、どんな色味のものが届くのか蓋を開けるまで判らず、希望通りの505nmが入手できる保証はどこにもありません。。。

シアンのばらつき

↑これは実際に僕が各社の各シリーズからシアン素子だけで20以上入手して色味の違いを検査した結果の一部です。左上が理想的なシアンですが、このスペックを持つものは少なく、大半がその他のような緑色に発光します。特に下の段はどう見ても520nm近い緑でしょう。困ったものです(汗)

ちなみに、どこのどれが良いとか悪いとかは敢えて書きません。シリーズによっては安定していそうに思えるものもありましたが、それは社外秘と言うことで(笑)

では、実際にこのシアンのアタリとハズレ(緑)で、それぞれブレンドにどう影響するかシミュレーションしてみましょう。

白へシアンと緑を混合するシミュレーション

左上Aが白のみ、右上Bが白+シアン、左下Cが白+緑、右下Dが白+シアン+緑です。

Bのようにシアンの欠落にシアンを足せば当然有意義なスペクトルになりますが、Cのように緑を足してもほとんど意味を成しません。巻き込みにより僅かにシアンも引き上げられる分はありますが、ごく微々たるものです。また、光合成色素の波長要求はクロロフィルもカロテノイドも一部のフィコビリンも青~シアンに集中していますが、緑を要求するのは一部のフィコビリンのみです。その意味でもシアンと緑の存在意義に大きな違いがある訳です。くれぐれも、シアンだと信じて満足していたら実は緑だった!なんて事態にならないようご注意を(苦笑)

ところで、シアンを足すと今度はその分緑の帯域に谷が出来てしまう(B参照)ので、Dのようにいっそのことシアンも緑も両方とも足しちゃうのが波形的には理想かも知れませんね。これでSCのマリンブルーの出来上がり♪
ただ、これは一般の白LED(Blue+YAG)の場合です。また、諸事情によりそれぞれの素子の組み合わせ個数・光束値は社外秘にしておきます(苦笑)。ま、光束・スペクトル等の光学試験が出来ているメーカーさんにとっては朝飯前でしょうし。

ちなみに昨日案内したオリジナルブレンドについては、僕がしっかりとシアンの現物を見定めた上で組み上げてお渡ししますのでご安心ください。分光スペクトルの観測結果も血統書付きでお渡しします♪

おまけ。

あまりにシアンのアタリ率が低いので、一時は血迷ってPhilipsのLuxeon Rebelにまで手を出したこともありました(汗)
せめて予算の都合もあり、ランクは最低の0030を。LXML-PE01-0030です。

Philips Luxeon Rebel

ちっさっ! (一目盛り1mm)
これをどう使うねん!(曝)

で、試しにリフローしてみました。

LEDのリフローテスト

専用の基板が無かったので、汎用のスター基板を少し加工して載せてみました。

リフロー後の点灯試験

おおお。。。これはアタリだったみたい♪
でも3mmの素子のリフローなんてとてもじゃないけどやってらんないので、残りの在庫はそのまま封印しました。よって、Luxeon Rebelのアタリ率は出してません♪ ヨロシク哀愁!

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201011月11

太陽光LED:理想と現実

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そもそもの誤り。

これまで、造礁サンゴの飼育といえばメタハラであり、その恩恵はもはや疑う余地の無い確立された存在でした。そしてその一番の理由は、なんと言っても太陽光の代替として申し分ないスペクトル分布に他なりません。太陽を浴びて生活する生き物に太陽を与えるのは至極当然の模範解答であり、効果を見てもそこに克服しがたい問題点などおよそ見当たりません。そして時代は進み、比較的ハイパワーのLEDが登場したことで、ブルー光などの補色も手軽におこなえるようになりました。そう、あくまでもメタハラの補助に使う分には、LEDは非常に有用なアイテムだったのです。

しかし、ここ最近、状況は変わりつつあります。遂にLEDがメタハラに取って代わり、メイン照明としての地位を築き始めました。特に昨年からのLEDの進化には目を見張るものがあり、驚くほど目覚めしい進化を遂げました。アクア業界でも各社から次々とLED照明がリリースされ、既に多くのアクアリストもその可能性に挑戦し、効果を吟味し、結果も出してきました。

ところが一方で、思うように結果が出せないケースも多く、アクア照明としてのLEDに疑問の声がいくつも挙げられるようになりました。中にはメタハラに戻るユーザーも見受けられます。しかしそんな声をよそに、各社からは何事も無かったかのように黙々と製品が投入されてきます。疑問に応えるアナウンスも、成功のためのノウハウの提供もありません。この温度差はなんなのでしょうか?

まず、落ち着いて冷静に分析を進めてみます。すると、あることに気づきます。
どのLED製品も、メタハラに代わる効果を裏付けたスペックがまるで提示されていないのです。照度こそ今は公開が定着しましたが、なんと肝心なスペクトルの情報が一切公開されていません。ごく一部のメーカーでは公開されているものの、果たしてそれで光合成の要求が満たされてているのかどうか何も触れられていません。それどころか、開発の段階で本当に波長を考慮しているのかどうかすら怪しいのが現状です。そもそも光合成のための製品なのに、光合成の波長が精査されていないなんて。。。

まさか、ただ素子を混ぜてるだけなのか!?

日亜とCreeの白LEDのスペクトル

LED製品の白色光を構成しているのは白色LEDで、およそ上図のような特性です。メーカーや型番によって若干の違いはあっても、青チップと黄色蛍光体で擬似白色を作っている点では同じです。
ここへ青LEDを混ぜて色温度を高めたり、一部の製品では赤LEDを入れている場合もありますが、ちょっと考えてみれば、それをどんなに組み立てたところで、それが太陽光にはほど遠いスペクトルであることは容易に見当が付きます。

そう。あくまでも人間の目で見た光色のみで構成を決定しているのが明らかであり、光合成から見た要求波長を追求した形跡がまるで感じられません。なんてこった。。。それがアクアLEDの現状なのか。。。

いやぁ、前振りの長いこと(曝)
随所のチクチクは大目に見てください(汗)

と言う訳で、僕はちゃんと当初から真剣に取り組んできましたよ。
夜も寝ないで昼寝して。
そしてようやく形が見えてきました♪

オリジナルブレンド4号機のスペクトル

自信を持って公開します。これがオリジナルブレンドの4号機のスペクトルです!
シアンの下限を相対値で50%をキープ♪
アンバーも妥協無しで相対値60%オーバー♪
嘘はありません!(素子の公称スペクトルに嘘が無いことが前提ですが)
今回はベース照明としての白色を極めることを目的としたので、敢えてUVは除外しました。青やUVの補強はあくまでも補助ランプでおこなおうと言うスタイルです。そう、作るべきは、まさに白色のメタハラ♪

そしてもうひとつ、メイン照明にも新たに新LED素子を使ったデモ機を迎えましたが、実はスペクトル自体がまだ製造元から公開されていないため、詳細はもう少しあとになりますのでご了承ください。
とりあえずこちらで観測した分光器によるスペクトルのみ公開しておきます。

既製のアクアLEDと自作LEDのスペクトル比較

比較のための太陽光、日亜とCreeの白LED、そして今回のオリジナルブレンド4号機と新LEDデモ機のスペクトルと演色です。

日亜・Cree共にシアンは大きく欠落し、演色を見ても黄色と黄緑の区別がつかず、シアンも赤もドス黒いのが判ります。これが現状のLED照明もれなく全ての特性です、残念ながら。これでメタハラの代わりをさせようと言うのはあまりに無謀ですよね。

一方、今回の僕の新作は、共に青から赤までのおよそフラットなスペクトル分布を実現しました。太陽光には負けますが、まずは叩き台としては満足のスペックです。特にオリジナルブレンドは高い色温度にも関わらず鮮やかな赤が発色できるのがミソですかね。もちろん、シアンも超鮮やか♪

だけど、これはあくまでも公開用のものです。
実はまだ本命の隠し玉があったりして♪

おっと、いけねぇ。今はここまでだぜ。

さて。ちょっと休憩ネタを。
下の画像は、分光器で見た肉眼での見え方と、いざ撮影した場合の比較です。

肉眼で見た分光スペクトルと撮影したスペクトルの違い

シアンも黄色もデジカメには写らなくていつも難議してます。
これまでの画像でも、緑と赤の境界には黄色があると思ってもらって差し支えありません。画像では欠落した谷のようにも見えますが、ちゃんと連続したスペクトルになってます。
また、シアンは多少は写るので、太陽光のスペクトル画像だと青と緑をうっすらと繋いでいる程度には認識できます。しかしそれが感じられないものは、やや谷になっていると捉えてもらえばOKです。
ちなみに、日亜やCreeのような一般の白LEDともなると、完全に青と緑が分断して黒いスペースが発生します。これがシアンの欠落です。そしてこれを補完するのは並大抵ではありません。。。

上記のオリジナルブレンド4号機の方は、LeDio 7をベースに素子の換装で製作可能です。もしご希望の方がいましたらメールください。ある程度のご要望がまとまれば、製作代行を承ります。但し、素子の調達に時間が掛かったり、素子が欠品になる場合もあるので予めご了承を。
ご希望・予約はこちらまで→ info@1023world.net

2010/11/10 14:00 追記
オリジナルブレンドのベースランプは、LeDio 7やLeDio 21あたりが可能で、お手持ちのものをお送りいただく形でも、こちらで新品を用意しての改造でもOKです(もちろんメーカー保証は無くなります)。また、それ以外のものでも可能な場合がありますので、必要であれば事前に前面カバーを外して、素子面の写真をお送りください。該当製品のメーカー名と型番もお願いします。それによって可能かどうか判定させていただきます。

2010/11/11 13:00追記
若干青っぽくとか、好みに応じて多少の色味の調整も可能ですが、僕的には基本光源として波長全域をカバーしたホンモノの白を強くお勧めします。その上で好みの補助ランプで色を補正すると良いでしょう。要するにメタハラと同じ使い方です。UVも含みませんので、レディオの400UV等で補完すると良いでしょう。

携帯からご依頼の方は、こちらからの返信に備えて、1023world.netドメインを受信可に設定しておいてください。メールがエラーで返ってきてしまいます(汗)

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