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20132月08

T5:照度トリック

マリンアクアリウム エイジ 15:07
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あり?
T5ネタ、てっきり終わったと思ったのに?
いやぁ~、需用があればいつだって立ち上がるんだぜぇ~?
ムクムクムク~♪

前回のセンセーショナルな比較記事では、フルスペ100WT5 100Wを比較したわけですが、「これは弱い者イジメである」との声もありまして、どうせなら同じ光量レベルに揃えて比べて欲しいというご要望にも応えてみることにしました。ま、そりゃそうですね。どっちも同じサンゴが飼えるような光量条件で比べないと♪てことで。

いつものようにBHのスペクトロメーターLI-1800が大活躍です。

測定条件

そこで、前回非力だったATI SunPower 4×24W=100W(写真上)に替わり、ピンチヒッターATI PowerModule 6×39W=240W(写真下)の登場です。

ATI PowerModuleは明るい♪

なんか、ビーム角もかなり挑戦的です!

蛍光灯とは言え超明るいやん!
その秘密はリフレクターにあり!
PowerModule最高~!!!

これならフルスペも相手にとって不足無し?
いや、こんだけ眩しいと、むしろ危ないだぜぇ~?

さて、測定結果です。
まずはスペクトルを放射照度で比較したもの。スペクトルの高さ=光強度です。

各光源の実測放射照度スペクトル

(a) ATI : AquablueSpecial×6
(b) ATI : AquablueSpecial×2 + BluePlus×2 + Actinic×2
* KR93XPのみ別データからの合成です

光強度比較
@30cm
ATI T5
39W×6
=234W
(a)
ATI T5
39W×6
=234W
(b)
SC
BLV(W)
=150W
KR93SP
24″ 2.02
=100W
KR93XP
24″
=100W
放射照度 積分値
(300-1100nm)
[W/m2]
175.35 135.17 173.68 185.87 216.20
消費電力 [W] 234 234 150 100 100
効率 [W/m2/W] 0.7493 0.5776 1.1579 1.8587 2.1620

あ、ちなみに放射照度 [W/m2]と言うのは、純粋な光エネルギー量を示したモノで、被視感度のようなフィルターの掛かった照度 [lx]とは別物です。念のため。

うむ。光エネルギー量で見ると特別T5が強いという事は無いようです。
見た目はこんなに明るいのに、不思議な感覚ですね?
むしろ、240Wも消費しておきながら、150Wのスーパークールと同じ光強度か。。。

いえ、それは違います。

SCはスポットだから直下だけの光量だけど、T5は水槽全体にその光量が広がっているため、実質T5の方が全光量は多いはずです。
フルスペだって、横方向こそ照射範囲を確保していますが、奥行きを確保するには複数台の並列設置が必要になります。
ま、フルスペを複数台並べたら、また弱い者イジメって言われそうだけど。。。

どう? これくらいの出力差なら妥当な比較じゃない?
それとも8×54Wくらいじゃないとダメ???汗
でもこれ以上大きくしても面積が広がるだけで、測量点の光量は増えないよ。。。

ちょっと待てくれよ!
T5はこんなに明るいんだぜ!?
フルスペの方が全然暗いじゃないか!
なのに、どうしてT5がフルスペに負けるんだよ!?
納得いかないよ!

了解だぜぇ?
解説しちゃうぜぇ~♪

人間の目は、可視光線の400~700nmの色(波長)の光を、すべて同じ強さでは見えていません。緑色の555nmがもっとも強く感じ、青や赤はその 1/10程度でしか感じていません。例えば、青:緑:赤の光をそれぞれ10:10:10の強さで並べたら、人間には1:10:1と言う強さに感じてしまう のです。
と言う事は、各光源のスペクトル(上図)は、人間にはこう↓(下図)見える訳です。

T5の照度トリック

* 比視感度を反映したグラフはLEDスペクトラでも確認できますのでお試しください

おおおお!!!
T5って明るいですねぇ~♪
って・・・

これが、T5の照度トリックです。

「人間の目ではT5は明るい」
その評価は間違いではありません。そもそも蛍光灯は人間用に最適化された照明ですから、必要最低限の波長(3波長+α)だけで白く明るく見えるようにできているからです。
しかし、光エネルギーやサンゴ目線で計るなら、それは間違いです。
どんなに明るく見えようともです。
むしろ、海中スペクトルを模した青主体の光なら、人間の目には暗く見えて当然です。
そうした光源に対する視覚での評価は極めてナンセンスだと理解しておきましょう。

以下、ありがちなT5の間違いをまとめておきます。

× T5は各社のいろんな球をブレンドすれば波長リッチになる
× T5はフルスペクトルである
× T5は人間にとって明るいのでサンゴにとっても明るい
× T5はサンゴ本来の色を映し出す
× ZEOvitが綺麗なのはT5のお陰

もし答え合わせが必要なら、お気軽にお尋ねください。

いつもの決め台詞だけど、
ユーザーを困惑させたり迷走させるような虚偽の流布は 絶対にダメ!

ところで気付いて欲しいのは、サンゴ水槽の照明は何のためにあるのか?です。
アクアリストが拝むためですか?
答えはノー。

サンゴ水槽の照明はサンゴに光合成をしてもらうためにあります♪

そして、

フルスペは太陽の子を太陽で育みたい方のための理論です♪

ですから、比較的簡単なソフトコーラルだけ飼えたら良いとか、ZEOvitで色調整するから照明スペックは必要最低限満たせば良いとお考えの方はこの限りではありません。それならフルスペクトルは不要かも知れません。。。
ただ、光なんて何でも良い波長は重要では無い、と言うのは少々暴力的です。
だって、相手は光を吸収するのが仕事ですよ?
クロロフィルだけじゃなく、蛍光タンパクも色素タンパクも、みんな要求が異なります。
それらの要求に対して偏った波長だけで誤魔化すにも、限度があると言うことです。
結局、色素形成に光は最も重要な存在なのです。

次回は、サンゴの光合成に深く関わる色素や蛍光の話題です。
(一度に書くと混乱の元なので2回に分けますね)

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コメントとトラックバック

  1. 1. こう 2013/02/09 23:20

    水中での光量を比較してみることをお勧め致します。
    T5は水中での光量の減束が少ないという特長があります。

  2. 2. エイジ 2013/02/10 05:28

    どうしてそう思われたのですか?

  3. 3. YAYA 2013/02/10 23:29

    エイジさん、こんばんは!
    サンゴの目?と人間の目で光の捉え方が違うというのはある程度わかっていても、実際に光源を前にすると自分の目で感じた通りに判断しがちです(笑)
    色揚げと演出にしても、浅場などは黄色く見えるくらいの光が色揚げにはいいのでしょうが、それだとあまり綺麗に見えません。どうしても青系の光を追加したくなります。このバランスが難しくいつも葛藤しています(笑)
    今回、T5取っ払ってSCマリンブルー3灯にしましたが、黄色に耐えられなくサンホワイト3灯にしました。サンゴのためと言いながらも綺麗に見えないと満足できませんね。
    T5に関しても人間の目に最適化されてるがために、いろんなものが綺麗に見えるのでしょう。

  4. 4. エイジ 2013/02/11 10:18

    「色」は本当に難しいですね。。。

    a) 色素が求める波長
    b) 色素が綺麗に見える波長
    c) 狙った波長の供給
    d) 業界の事情

    aだけでもダメ。bだけでもダメ。
    そもそもcができなきゃ話にならない。
    でもdのせいでcは語られない。。。
    そして最近は、ウソでさえ言ったモン勝ちになる悪い風潮。。。
    積もり積もった危機感が、遂に決壊してしまい、、、みたいな。
    なので、ウソ・間違い・思い込みはひとつずつ説いていくことにしました。

    色素の要求と鑑賞が両立しない件については、近年のシステムLEDが解決しました。
    それは、調光とタイマーによる「日照変化の実現」です。
    留守中、日中はまさに太陽光の黄色いスペクトルが色素に必要な波長を充電します。
    夕刻~消灯まで、鑑賞に向いた青主体のスペクトルを満喫できます。

    完璧な両立です。

  5. 5. エイジ 2013/02/11 10:36

    こうさん、
    光の減衰率については、光の「収束」について調べてみてください。
    ヒントは、レーザー光はなぜ遠くまで届くのか?

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