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20156月05

褐虫藻に焦点を当てたLED選び

マリンアクアリウム エイジ 17:53
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応援市場にて今月いっぱいの「夏まで待てないLeDio祭り」を開催中です。
とりあえずLEDスポットを業界最安でゲットされたい方はご検討ください♪

さらに、ここ最近LEDシステムライトの購入に関するご相談が増えてきました!?
僕は相変わらず不景気(泣)なのに、一部では景気が回復してるのかしら?笑

と言う訳で、
今年の夏こそはLEDシステムライトをゲットするぜ!
と言うアクアリストのために、ただいま各社の最新ロットを調査中です♪
データがまとまり次第、順次ご報告していきますのでお楽しみに!

LEDシステムライト2015年5月最新ロット調査

で、LEDシステムライトは、ただ闇雲に選べば良いってもんじゃありません。
自分に合った条件は勿論ですが、まずはサンゴのための条件にも目を向けましょう。
サンゴと言えば褐虫藻
と言う訳で、今回は予備知識として褐虫藻のことを考えていきたいと思います。

褐虫藻は光合成産物の大部分をサンゴに提供しています。
光合成と言えばクロロフィル(葉緑素)。
そのため、LEDライトに於いても、そのスペックを表すために、度々クロロフィルの吸収スペクトルに対するカバー率が示されてきました。
クロロフィルには主にaとbがありますが、cやdもあります。

クロロフィルa/b/c/dの吸収スペクトル

* PukiWiki記事を参考

ま、相手が陸生植物ならそれで良いのですが、我々が相手にするのはあくまでもサンゴの褐虫藻です。褐虫藻は果たしてどのクロロフィルを持っているのか? それとも全部か?

はい。褐虫藻は、クロロフィルaクロロフィルcを持っていると言われています。

褐虫藻が持つクロロフィルa/c

そう、褐虫藻が持っているのは、実はクロロフィルcなのです。
今までクロロフィルaやbばかり見てきたので、このcの吸収スペクトルは斬新でしょう(笑)
赤はほとんど必要としないし、深赤660-680nmは全く要らないんですぜ?汗
なるほど。陸生の光合成と違って、赤の届かない海中に特化した仕組みですね!

また、クロロフィルaはクロロフィル蛍光を持ち、その蛍光はおよそ670nm前後のスペクトルを発します。

クロロフィル蛍光

* ITC記事より引用

実はこれ、僕が過去にディープレッド蛍光だと解説してきたモノの中にも混じっていたかも知れません。例えば、以下はカラーレポートにも掲載している反射スペクトルグラフです。

ディープレッド蛍光/クロロフィル蛍光

* スパスラタ:カラーレポートVOL1, ハナサンゴ:カラーレポートVOL3より

僕が測定したモノはいずれもかなり微弱でカーブがハッキリしませんが、ピーク波長はかなり近いです。また、同種間でもこれが見られたり見られなかったりするのも、クロロフィル蛍光ならでは?と今なら納得出来ます。なぜなら、クロロフィル蛍光は光合成が過剰な時に発せられるからです。と言うことは、反射スペクトルの測定時に励起波長強度が強すぎた時に現れていたのかも?
特に630nmの赤の波長に対して顕著(660nm時は励起波長のカーブを減算すれば630nm時よりも発光量は小さい)なので、やはりサンゴはこの赤の波長帯域は嫌ってるんだなぁ~と妙に納得したり。
カラーレポートをお持ちの方は、各サンゴの深赤部分をご確認ください。ここが発光してるサンゴは結構多いです。

ただ、そうなってくると、このクロロフィル蛍光がクロロフィル自身の赤側要求670-680nmを満たしているとは言い辛くなってきました。だって、光量がキャパ以内の時は蛍光を発していないって事ですから。いや、あるいはキャパオーバー時に670nm蛍光を発するのも、実はブルー光過多のバランスを取るため?と こじつけられない事も無いけど、真相は判らない。。。

しかし、そこで救世主が現れました! (元からいたけど)
それが褐虫藻が持っているカロテノイドの一種ペリジニンです。
ペリジニンは、僕は他のカロテン同様せいぜいアンテナ色素程度に捉えていたので、今まであまり焦点を当ててきませんでしたが、いまいちよく判らなかった吸収スペクトルのグラフの意味がようやく判りました。なんとこの子、ワイドブルーバンドな吸収スペクトルを励起源として、670-680nmのディープレッド蛍光を発するんです!

ペリジニンのディープレッド放射スペクトル

* COLUMBIA BIOSCIENCES記事より引用

これまた衝撃的!
蛍光を発するのは、蛍光タンパクだけじゃないってことだぜ♪
やはり人間ごときが何億年もの歴史を持つサンゴの心配をするなんて烏滸がましいぜ!
我々が危惧するまでもなく、彼らは必要なモノを獲得する術を多岐に渡り持ってるぜ!

以上の事から、やはり褐虫藻は赤の波長の届かない水深でも光合成効率を確保するため、従来のように蛍光タンパクRFPやDRFPによる670-680nm波長補完はもちろんのこと、ペリジニンのディープレッド蛍光670-680nmの恩恵も受け、適正な光合成を営んでいることが推測されました。ま、クロロフィル蛍光の670nmの恩恵は定かではありませんが、少なくともこれで十分な深赤波長の確保が成されていると考えられるでしょう。
ただ、これらはLED照明に深赤波長660-670nmを採用することを否定するモノではありません。あくまでも適度な量の範囲であれば、十分に補助を果たすと考えられます。多すぎはダメですが。。。ただ、過保護は本来の姿を衰退させる要因にもなりますから、注意深い観察は必要です。

と言う訳で、褐虫藻の持つ色素構成は、およそ以下のようになります。

褐虫藻が持つ色素あれこれ

それらがトータルで構成する褐虫藻全体の吸収スペクトルはこのようになります。

褐虫藻の吸収スペクトルの構成

* Advanced Aquarist記事を参考

よって、サンゴのため/褐虫藻のためのLED選びとしては、まずは褐虫藻の吸収スペクトルをどれだけカバー出来るかを念頭に置くと良いでしょう。

もちろん、蛍光タンパクの働きも忘れてはなりません。
特にLED照明で不足しがちな400-420nmのUV域を確保すれば青系蛍光タンパクはギラギラ維持出来ますし、上記の深赤660-680nm要求を補完する赤系蛍光タンパクの存在を意識することで、LED選びの目はより確かになっていきます♪

蛍光タンパクの要求と恩恵

  • ブルー蛍光/シアン蛍光/褐虫藻のためにも400-420nmのUV域を確保
  • 深赤660-680nmはサンゴ(褐虫藻)が確保するので意図した追加は不要
    (但し、演色性(発色)の向上には寄与する)

あとは、省エネ性、光量、機能性も視野に入れて、じっくりと選びましょう♪

では、次回からお勧め最新LEDシステムライトを順にご紹介していきます!
今回の予備知識も活かしたグラフ作りになってるので乞うご期待♪

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