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20129月24

スペクトロメーター比較:CL500A vs IM1000 vs MK350

マリンアクアリウム エイジ 13:11
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最近、各社のスペクトロメーターに触れる機会に恵まれたので、これから購入を検討されてる方向けに簡単な比較レビューを残しておこうと思います。ま、あまりに高価なアイテムだけに、照明メーカー・関連企業の開発者向け、あるいは販売店向け情報になろうかと思いますが(汗)

今回比較したのは、いずれも今年2012年にリリースされたばかりの新製品3機種です。
3台で軽く100万円オーバーなので、滅多にお目にかかれないレビューなんだぜぇ?
ワイルドなんて次元じゃねぇぜぇ?

各社スペクトロメーター2012年モデル

写真左から順に、

CL-500Aはボルクスジャパンから借りました。さりげなくエエモン持ってるなぁ。。。
IM-1000はブルーハーバーが購入検討中のデモ機を店舗で拝見しました。
MK-350は、どこぞのアクアLEDクリエイターが借金して買ったとかどーとか。。。曝

それぞれカテゴリー名が微妙に異なりますが、いずれも相関色温度や演色評価、各種色度座標、分光スペクトルなどが測定できるハンディタイプのスペクトロメーターです。特に国内では、これまで機能・性能共にコニカミノルタのCL-500Aが競合知らずの独断場でしたが、先日これを追う形でリリースされたトプコンのIM-1000が、現在、低価格を売りに追撃中です。一方、台湾メーカーUPRtek製のMK-350は、CL-500AやIM-1000のようなJIS AA級(照度計)の精度は持ちませんが、ハンディ用途としては十分な性能と機能を備えた製品で、厳格な数値を求めない場面や現場用のサブ機として、非常に活躍するアイテムです。

以下はこれらの製品の一般に公開されている仕様情報を比較したものです。

型番 CL-500A IM-1000 MK-350
メーカー コニカミノルタ トプコンテクノハウス UPRtek (台湾)
分類 分光放射照度計 演色照度計 色彩照度計
センサー ? シリコンフォトダイオード CMOSリニア
照度計 JIS C 1609-1:2006 AA級
DIN 5032 Part7 classB
JIS C 1609-1 AA級 -
波長範囲 360~780nm 380~780nm 360~760nm
出力間隔 1nm 1nm 1nm
波長幅 約10nm (半値幅) ? 約12nm (半値幅)
波長精度 ±0.3nm ? ±0.5nm
照度範囲 0.1~100,000lx 2~1,000,000lx 70~70,000lx
確度 Ev: ±2% ±1digit
xy: ±0.0015 (10lx~)
xy: ±0.0020 (5~10lx)
Ev: ±2% ±1digit
xy: ±0.0020 (50lx~)
xy: ±0.0035 (10~50lx)
xy: ±0.0050 (5~10lx)
Ev: ±5%
xy: ±0.0025
繰り返し
精度
Ev: 0.5% + 1digit
xy: 0.0005 (500lx~)
xy: 0.0010 (100~500lx)
xy: 0.0020 (30~100lx)
xy: 0.0040 (5~30lx)
Ev: 0.5% + 1digit
xy: 0.0020 (50lx~)
xy: 0.0035 (5~50lx)
-
xy: ±0.0005
測定時間 0.2~2.5秒
オート: 0.5~27秒
0.2秒
オート: 0.5~50秒
0.008~1秒
測定
データ
表示
XYZ
照度
xy
u’v’
主波長
相関色温度
演色性Ra, R1-R15
ピーク波長
分光グラフ
XYZ
照度
xy
u’v’
主波長
相関色温度
演色性Ra, R1-R15
-
分光グラフ
-
照度
xy + 座標グラフ
u’v’ + 座標グラフ
-
相関色温度
演色性CRI
ピーク波長
分光グラフ
内部
メモリ
100件 50件 SDカード
(2GB/2000件)
PC接続 USB2.0 RS232C
無線LAN
USB2.0
SDカード
PCソフト CL-S10w
(EXCELアドイン)
CS-900A -
保存
形式
- CS-900AにてCSV出力可 EXCEL (CSV)
BMP (分光グラフ)
言語
選択
日本語
英語
中国語
本体は英語固定
PCソフトは日本語
日本語
英語
中国語 (繁体字)
中国語 (簡体字)
電源 内蔵リチウムイオン電池
ACアダプター
USBバスパワー
単3形ニッケル水素電池×4
ACアダプター
内蔵リチウムイオン電池
ACアダプター
寸法 W70×H165×D83mm W70×H250×D78mm W78×144×24mm
重量 350g 640g 250g
発売 2012/02 2012/07 (2012/09) 2012/04
価格 55万円 38万円 20万円

価格からも想像つきますが、まず総合点で見ると、まあ間違いなく
CL-500A > IM-1000 > MK-350
でしょう。
それを踏まえた上で、自分の求める性能・機能・条件・操作性などを吟味して、最良の1台を選択すれば良いと思います。

コニカミノルタ 分光放射照度計 CL-500Aを試す

先日、ボルクスジャパンから新製品Grassy Solareのサンプルをお借りした際に、水草用Solare Plantの売り文句10000KでRa93!を実際にチェックしてみたいなぁと思ったら、これも貸してくれました。
すすす凄ぇモン所有してやがるぜぇ?
さすがアクアLEDでフロンティア走ってるメーカーは違げぇぜ?
ちなみに、Grassy Solareのレビューはいずれまた改めて。

コニカミノルタ 分光放射照度計 CL-500A

三脚ネジ穴が前面と背面にあるので、受光部を天地どちらに向けても固定できます。これって一見、便利なように思えますよね?
でもね、受光部がディスプレイの反対面にあるので、上からの光源をディスプレイ見ながら測定、と言うのは無理のようです。。。
逆に、LED素子を個別に測定する場合なんかは、受光部を下に向けて本体を三脚に固定してLEDを下から発光させれば、ディスプレイを見ながらでも測れるので超快適っ!
ただ、バックライトが無いので、環境光を遮光しての測定時にはディスプレイがまったく読めないので不便でした。なぜバックライトが無いのか???

本体ディスプレイの表示例。

CL-500A:暗補正画面、その他

起動は比較的速やかです。但し、前回使用時からの経過時間が長い場合は、起動時にゼロ校正が促され、可否どちらも選択できます。ゼロ校正には27秒かかります。
モノクロ液晶ですが、横240ピクセルあるので、スペクトルグラフは比較的滑らかでした。
また、保存データを見返す事もできるので、PC接続前にデータを適宜添削できます。
保存データはPCに接続してエクセルのアドインから取り込むことができ、またCL-500Aのアドインソフトには初めからいくつかのエクセルのテンプレートが用意されているため、そのテンプレートに保存データを読み込めばスペクトルグラフ等のグラフィカルデータが自動的に生成されるので便利です。

CL-500A:エクセルテンプレートに出力データを取り込んだもの

ちなみに、このアドインソフトの注意点としては、インストール後にインストールフォルダに生成されたアドイン用ファイルを、エクセルのインストールフォルダに放り込まないとダメな点です。ま、アドインに長けた方なら朝飯前かな?

評価:良いと思った点(僕目線)

  • 起動が速い
  • スペクトルが360nmから測定できる
  • スペクトルグラフのY軸が放射照度W/m2
  • スペクトルの精度が高い

評価:うーん?な点(僕目線)

  • バックライトが無い!?
  • 受光部がディスプレイの反対面にある
  • SDカード等の外部メモリが使えない
  • 高くて絶対買えない(汗)

トプコンテクノハウス 演色照度計 IM-1000を試す

このIM-1000は、ブルーハーバーが持ってる○百万円の分光光度計LI-1800のサブ機として検討中の製品で、つい先日出たばかりの新製品です。公式には2012/07発売でしたが、実売は遅れ遅れになっていて、貸し出しデモ機が来たのも9月に入ってからでした。たまたま香港から帰国した翌日にBHに届いたので、運良くいじることができました。
CL-500Aの55万円に対し、破格の38万円でリリースされたIM-1000でしたが、測定データを見る限り、精度はほぼCL-500Aに迫ります。これは嬉しい!

トプコンテクノハウス 演色照度計 IM-1000

ただ、保存データが増えて来ると、何故か起動がどんどん重くなります(汗)
僕が試した限り、最長で1分ほどかかる場合もありました。これは痛いなぁ。。。

IM-1000:暗補正画面、その他

また、モノクロ液晶も横が128ピクセルしかなくて、しかもスペクトル表示領域が画面の半分ほどしかないので、スペクトル解像度はかなり荒いです。ま、PCへ取り込んだ生データは勿論1nmの分解能があるので問題はありませんが。
でも、CL-500Aと違ってバックライトがあるのが◎。暗くても視認性はグッド♪
また、CL-500Aと同様、保存データはいつでも呼び出して閲覧可能です。
ただ、ボタンが多い点と、モードも慣れるまでいまいち判りにくいのが難点かな?
そして有り難いのは専用ソフトが付属してる点です。これならエクセルに疎い人でも、直感的な操作でデータをグリグリいじることができそうです♪
スペクトルや色度座標グラフもカラーで見やすいです。

IM-1000:PCソフトウェアCS-900Aの画面

また、このソフトからCSVファイルを吐き出す事もできるので、ソフトをインストールしていないPCでもデータが操作できてとても便利です。

評価:良いと思った点(僕目線)

  • バックライト
  • スペクトルグラフのY軸が放射照度W/m2
  • スペクトルの精度が高い
  • 専用ソフトのインターフェイスの操作性
  • 無線LANが使える

評価:うーん?な点(僕目線)

  • 保存データが溜まると起動が遅い
  • 液晶解像度が低い
  • ボタンやモードがやや判りにくい
  • オートパワーオフがない
  • ファームウェアが更新できない
  • SDカード等の外部メモリが使えない
  • それでも高くて買えない(汗)

UPRtek 色彩照度計 MK-350を試す

精度は上記2機種に及びませんが、かと言って決してホビーレベルではなく、十分に業務用途をこなす性能と、上記2機種を超えたデータ表示機能は、一度使ったら手放せない利便性を誇ります。特に、照明屋さん等が現場でプレゼンしたり診断する際にこれほど便利なアイテムはないんじゃないかしら?

UPRtek 色彩照度計 MK-350

こちらは経過時間に関係なく、電源投入時に必ず暗補正を要求してきます。可否の選択はできますが、暗補正自体は5秒ほどで終わるので苦になりません。但し、電源ボタンを押してから上のロゴ画面が出るまで5秒ほど無反応になるので、いまいち電源が入ったかどうか判りにくいです。できればロゴ画面は電源を押したらすぐに出て欲しいですね。5秒後にやっとロゴが出るのと、ロゴが出てから5秒待つのとでは、断然後者が親切ですからね。ま、ファームウェアは随時更新されてるようですし、そのうち対応されるかも知れませんけど。

MK-350:暗補正画面、その他

MK-350の売りは、QVGA:240×320ピクセルの大きなタッチパネルカラー液晶と、各種グラフのカラー表示でしょう。例え照度計がJIS準拠じゃなくても、例え演色評価に個別Ri (R1-R8/R9-R15)が無くても、この機能美だけで所有欲がくすぐられます♪
また、CSVデータやグラフ画像化データ(BMP)がSDカードに保存できる点も◎。
CSVはエクセルで簡単にグラフ化が可能です。

MK-350:出力データCSVをグラフ化したもの

画像データは4つの表示モードのキャプチャが1枚の画像に連結されて保存されます。

MK-350:画像出力機能で生成された各グラフ合成BMP

キャプチャなので無駄にボタン類まで含まれてるのが邪魔ですが、それでもいちいちエクセルを起動しなくても済みますし、色度座標グラフを作るのも面倒なので、この画像機能は非常に有り難いです。

評価:良いと思った点(僕目線)

  • スペクトルが360nmから測定できる
  • 大画面タッチパネルカラー液晶
  • 各種グラフ表示機能
  • CSVデータ保存機能とグラフ画像保存機能
  • スマートホンのような携帯性
  • 台湾製だけど言語を日本語に設定可能
  • SDカードが使える
  • 無理すれば何とか手の届く価格かな(汗)

評価:うーん?な点(僕目線)

  • できれば照度計クラスがJIS A/AA級が良いけど・・・海外製だから?
  • スペクトルグラフのY軸は相対値ではなく放射照度W/m2が良かった
  • できればRa(CRI)だけじゃ無くてR1-R8/R9-R15まで表示できたら良いな
  • 波長精度がやや粗い?
  • 横向き用液晶パネルを縦に使ってる?せいか、右の視野角が狭くて、両眼で捉えた像が微妙に異なり、ややチカチカして見づらい

最後に、実際に触ってみて、ネット情報だけでは見えなかった点も比較しておきます。

型番 CL-500A IM-1000 MK-350
メーカー コニカミノルタ トプコンテクノハウス UPRtek (台湾)
分光グラフ
Y軸
放射照度 (W/m2) 放射照度 (W/m2) 相対値 (0~1)
視野 2°/10°選択 2°/10°選択 -
暗補正
(Dark
Calibration)
○ (起動時自動要求) ○ (起動時自動要求)
起動時間 約3秒
(暗補正実行時は+27秒)
5秒~60秒超
(保存データ量に依存)
約7~9秒
(暗補正実行時は+5秒)
オート
パワーオフ
15分 (オン/オフ可) × 10分 (増減可)
電池
残量表示
アイコン表示 (4段階)
・非表示(フル)
・低下
・なし
・充電中
文字表示 (2段階)
・非表示(フル)
・BAT(少ない)
アイコン表示 (無段階)
(設定画面に%表示あり)
受光部位置 背面 前面 天面
ディスプレイ モノクロ 240×128 モノクロ 128×64 3.2″ 240×320
カラータッチパネル
バックライト × ECO/ON/OFF
(ECO: 1分無操作時オフ)
10~100%設定可
(10%ステップ)
最新
ファームウェア
1.10.0002 - 1.3.1
ファームウェア
更新
×
充電時間 3.6時間 (6時間動作) ? (7時間動作) ? (5時間動作)
三脚ネジ穴 前面×1
背面×1
背面×1 ×

以上、お役に立てば。
不明な点は個別にお尋ねください。
尚、今回はいずれも軽く触っただけなので、評価に誤りがあるかも知れません。間違いがあったら訂正しますので、良かったらご指摘願います。

ちなみに僕はアクアLEDクリエイター(笑)としての利便性を優先してUPRtekのMK-350を選択。いや、厳密には予算的にそれしか選択肢が無かったとも言いますが(曝)
10万キロのマイカー、来年もう一回ワイルドに車検通すぜぇ?

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コメントとトラックバック

  1. 1. ikutaka 2012/11/08 10:20

    Eijiさん、こんにちは。
    ちょっと聞いちゃいたい事がありますが、教えてくれたら有難いです。

    近頃、仕事の原因でコニカミノルタ社のCL-500Aと台湾UPRTEK社のMK350を探して、試用サンプルまでも入手したのですが、コスト的に選択肢がMK350になります。
    だが、「値段が高いけど、CL-500Aについてもうちょっと研究したらどうだ」って上に言われました。コスト優先と思う私はそんなに理解していないが、CL-500AがJIS取得できたのが受光部のセンサー(白い部品)はポイントだろうと思います。通常、そのようなOptical partsが日本メーカー製で、精度の規格要求に対して高い部品を採用するなので、製品の価格も高くなるだろうと思います。

    要するは、そういう所と筋を上にちゃんと説明しないと、CL-500AもMK350も事務購入としては難しくなります。

    もしかしてEijiさんがCL-500Aの受光部の白い部品についてご存知ですかなって思って、ここに来ました。良かったら、是非ご意見を伺いたいと思います。助けて下さい~~~(笑)

  2. 2. エイジ 2012/11/08 13:52

    こんにちわ。

    受光部に関する情報は公式情報の中では見当たらなかったので、どんな素材なのかどんなセンサーなのか、僕は知るよしもありません。

    ただ、上司の意図は、「高くても精度が確かなら買うべきだ」と言う意味だと思うので、話は簡単です。用途に対して厳格な精度が求められるなら高くてもJIS対応の機器を買うべきですし、そうでないならMK350で十分です。

    それとも他社製品を分解して技術を調査するお仕事なのですか?

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