ヤドカリパーク



超ヤドカリ図鑑


ホンヤドカリ科/Paguridae


ホンヤドカリ属/Pagurus Fabricius, 1775


ホンヤドカリ/Pagurus filholi (de Man, 1887)

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日本全国に渡り分布し、海岸で一番目にすることの多い、まずは基本のホンヤドカリです。まずはこの子を捜してみましょう。カバンヤドカリの習性もこの子から学んでください。
別カットのザリガニのような個体は、生まれて間もないメガロパ期のものです(グラウコトエの次の変態期)。今ではすっかり大きくなってやんちゃな年頃になりました。


ユビナガホンヤドカリ/Pagurus minutus Hess, 1865

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ホンヤドカリに次いで日本全国多く見られるユビナガホンヤドカリですが、慣れるまでは種の識別に戸惑うかも知れません。何故なら本種は個体毎に色彩が不安定(?)で、同じポイントで見つけたものでさえ、色彩の異なるものが多く見られます。
本種は河口付近の砂地など汽水域を好んで広く分布しています。また名前の由来でもある長い指節を持ち、砂地に適していると思われます。
近年まで本種は Pagurus dubius とされてきましたが、いくつかの経緯を経て最終的に P. minutus に落ち着きました。


ホンヤドカリ属の一種/Pagurus sp. [2]

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この個体は2008年に石垣島で見つけた個体で、一見ユビナガホンヤドカリなのですが、体全体が透き通っている点や、眼柄基部が明らかに赤いこと、そしてユビナガ特有の「イヤラシイ眼」を持たないこと(笑)などから、とりあえず不明種として掲載することにしました。


クロシマホンヤドカリ/Pagurus nigrivittatus Komai, 2003

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ナチュラル水槽へ収容するならダントツで本種をオススメするその理由とは? それは何と言っても尋常ではないその「草刈りスピード」に他なりません。しかし、本種は恐らく流通では見掛けないでしょうから、もっぱら自家採集になります。少し沖合の磯回りがポイントです。
本種には希に色彩の淡い(赤い)個体が出現しますが、決してアカシマホンヤドカリではありませんのであしからず。
本種は近年までアカシマホンヤドカリ Pagurus pilosipes とされてきましたが、今回の駒井先生の論文により改訂されました。
関連論文:Komai, T. 2003. Natural History Research 7: 115-166.


アカシマホンヤドカリ/Pagurus erythrogrammus Komai, 2003

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これぞ真のアカシマホンヤドカリその人です。本種はこれまでクロシマホンヤドカリと混同されてきましたが、この度の駒井先生の論文にて本種は新種として記載され、和名はそれまでのアカシマホンヤドカリ P. pilosipes から本種が引き継いだ形です。で、元々のアカシマホンヤドカリ P. pilosipes は和名をオキナワアカシマホンヤドカリとされました。しかし更にややこしい問題があり、このオキナワアカシマホンヤドカリでさえもいずれ新たな論文で・・・うーん、混乱しますね。ノーコメントで。
ちなみに本種はその名の通り赤い個体ですが、中には地味な褐色のものも見受けられます。恐らく若齢体にこれが当てはまり、成熟とともに赤身が強くなるのでわ?と考えています。


ゴホンアカシマホンヤドカリ/Pagurus quinquelineatus Komai, 2003

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同属のアカシマシリーズは非常に識別がややこしいのですが、本種の場合和名に「ゴホン」とあるように、要するに線が一本多いよ、と言う特徴があります。良く見てみると、確かに通常のアカシマホンヤドカリと比べて縞のラインが細くて一本多そうです。実際に数えてないのでアレですが、そう捉えて良いでしょう。それよりも鉗脚の甲の色彩に特徴があると思います。明らかにピンクに染まっている様は、一般のそれよりもほぼ明確に識別できる要素だと思われます。
本種も幼体では地味な色彩だったものが成熟とともに色彩が強くなっているように見受けられます。


オキナワアカシマホンヤドカリ/Pagurus pilosipes (Stimpson, 1858)

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種移動(2012/11/26追記):Boninpagurus pilosipes (Stimpson, 1858)/オキナワアカシマホンヤドカリ

Komai, T., C.-H. Yang, J. Okuno & T.-Y. Chan, 2011.
Revisiting Pagurus pilosipes (Stimpson, 1858) (Crustacea: Decapoda: Anomura: Paguridae)
Zootaxa 3096: 41-52 (2011)


ケアシホンヤドカリ/Pagurus lanuginosus de Haan, 1849

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本種には似たような同属他種が多く存在します。ホシゾラホンヤドカリ、ヨモギホンヤドカリ、ヒメケアシホンヤドカリ等です。本種の特徴としては、体色のベースはどの個体も比較的明るいグリーンで、その上に黒ごまをちりばめたような配色です。
主に潮通しの良い磯場で多く見られます。


ホシゾラホンヤドカリ/Pagurus maculosus Komai & Imafuku, 1996

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本種には似たような同属他種が多く存在します。ケアシホンヤドカリ、ヨモギホンヤドカリ、ヒメケアシホンヤドカリ等です。本種の特徴としては、体色のベースはグリーンあるいは茶褐色で、その上に白ごまをちりばめたような配色です。成熟個体ほど褐色系が多いように見受けられます。
主に潮通しの良い磯場で多く見られます。
関連論文:Komai, T. &M, Imafuku. 1996. Journal of Crustacean Bioligy 16(4): 782-796.


ヨモギホンヤドカリ/Pagurus nigrofascia Komai, 1996

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確かに他のケアシシリーズにも似ていますが、決定的な相違点として、まず体表面のゴマ模様にオレンジも混じること、そして指節に黒いバンドが入る点、ツメの先もオレンジのマニキュアを配す、と言う点で決定的です。また本種は他のヤドカリよりも明らかに低水温時に活動が活発であり、時期的な住み分けを実現しています。秋から春にかけて多く見られ、夏場は休眠していると言われています。更にその特異な性質ゆえ、抱卵期が非常に長い事も特徴的です。


ヒメケアシホンヤドカリ/Pagurus spina Komai, 1994

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2010/7の高知遠征にてようやくお目に掛かる事ができました。一見、ケアシホンヤドカリのようにも見えますが、ケアシやホシゾラのような全身の黒点や白点が無いこと、眼柄が白く縦に線が入る点で判別可能です。
また、殻に身を隠した際の姿勢がケアシ的ではなく、どちらかと言えばイダテンヒメホンヤドカリのような印象を受けました。これはイダテン同様、体のサイズに合わない小さな殻を背負っているためや、体の形状や鋏脚が特にイダテンに似ているためだと感じました。

Komai, T., 1994. Pagurus spina, a new species of hermit crab (Decapoda: Anomura: Paguridae) from Japan. Crustacean research NO.23: 23-31, 1994.


イクビホンヤドカリ/Pagurus proximus Komai, 2000

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本種は一見するとクロシマホンヤドカリに似て見えますが、良く見ると縞模様が横方向のストライプである点、そして非常に毛深い点、で区別が付きます。
また体色は基本的にグレーが基調ですが、中には明るい茶褐色の個体も見られることがあります。先生によれば、この色彩の違いは外骨格の濃淡と下層の色素胞の拡張の度合いの違いによるもののようです。
自然下では干潮帯の磯場でクロシマホンヤドカリに混じってたまに見つかりますが、基本的には少し水深のあるポイントに多いようです。
関連論文:Komai, T. 2000. Species Diversity 5(3): 229-265.


ヤマトホンヤドカリ/Pagurus japonicus (Stimpson, 1858)

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比較的大型になる本種は基本的に夜行性であり、日中は岩の影や石の裏に隠れていることが多いようです。潮通しの良い磯回りでクロシマホンヤドカリに混じってたまに見つかりますが、ちょっと潜って石を捲った方が早いかも知れません。
複眼がエメラルドグリーンのように綺麗ですね。
関連論文:Komai, T. 2003. Zoosystema 25(3): 377-411.


ベニホンヤドカリ/Pagurus rubrior Komai, 2003

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生息環境はヤマトホンヤドカリと若干かぶりますが、本種はそれよりももう少し沖の方や水深のある環境で良く見られます。
また本種はヤマトホンヤドカリよりも更に大型になる種で、成熟個体は大人の握り拳くらい雄に超えちゃいます。
色彩もヤマトホンヤドカリに比べかなり派手で、随所に鮮やかなパープルを配しています。
関連論文:Komai, T. 2003. Zoosystema 25(3): 377-411.


アオヒゲヒラホンヤドカリ/Pagurus decimbranchiae Komai & Osawa, 2001

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本種は同属の中でも少し変わった風貌です。一時は新属新種とも騒がれましたが、最終的には同属に収まりました。
自然下では波の穏やかな岩礁周りや、タイドプール内でもよく見掛けられます。とても小型の種で、性格は穏和、動作もおっとりしています。
基本は淡いベージュを基調に赤系の茶褐色の斑点模様ですが、青っぽい色調のものも見掛けることがあります。

関連論文:Komai, T. &M, Osawa. 2001. Zoological Science 18: 1291-1301.


メダマホンヤドカリ/Pagurus conformis De Haan, 1849

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写真の個体は底曵網で捕獲されたものを松井さんから頂いたものですが、到着時には輸送のストレスからか鉗脚一本を残して全て自切(?)してしまっていました。
続いて私も松井さんに引き連れられ漁港でゴミ漁りを体験しましたが、やはり本種のような深海性の個体は環境変化に弱く、また陸揚げから少し時間が経ってしまったものはかなり衰弱しているようで、その時捕獲した本種もまたすぐに死んでしまいました。別カット参照のこと。
2007/04 学名が変更になりました。


トサカコテホンヤドカリ/Pagurus lophochela Komai, 1999

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本種は同属としてはかなり特異な形質を持ち、左鉗脚にシャープな縦走隆起がある点、また右鉗脚の両縁には縞模様の入った刃のような形状を持つ点が特徴的です。
実物は鉗脚の赤色がとても鮮やかで綺麗な種です。
やはり同属らしく動作はとても機敏です。

関連論文:Komai, T. 1999. Natural History Research Specieal Issue 6: 1-66.


オキナワホンヤドカリ/Pagurus hirtimanus (Miers, 1880)

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本種は他のホンヤドカリ属ではあまり見られない黒ずんだ眼柄が印象的です。性格・形質ともにヤマトホンヤドカリに近く、夜行性で日中は岩陰や落石の下に隠れているようです。
2枚目の写真は幼稚体のもので、共に宮古島のビーチで見られたもの。


ホンヤドカリ属の一種/Pagurus sp. [1]

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近似種としてはオキナワホンヤドカリが挙げられるが、本種はそれよりもかなり色彩が鮮やかで赤身が強いようです。また複眼はほぼ真っ黒な点も特徴的でしょう。
動作は非常に機敏です
写真は沖縄産のもの。


テナガホンヤドカリ/Pagurus middendorffii Brandt, 1851

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僕はまだ本種を自然下で観察できていませんが、2009/09/20に北海道の金(こん)さんから生息情報と画像をご提供いただきました。
本種は一般的に北海道などの冷水域に分布しており、岩礁の潮間帯で見られるとのことだが、金さんによれば北海道小樽の海水浴場のテトラポット周辺にて、腰程度の水深で数匹観察できたとのことでした。
本種はホンヤドカリに似て見えるが、体表は体毛が無くスベスベしていて、歩脚の外縁に褐色のラインが入るので判別しやすいだろう。
金さん、ありがとうございました。


オホーツクホンヤドカリ/Pagurus ochotensis Brandt, 1851

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房総半島から東北・北海道、オホーツク海、アラスカ等の冷水域に分布し、砂地や泥地を好む。本属としては比較的大型になる種である。写真提供はやどかり屋より。


エタジマホンヤドカリ/Pagurus rectidactylus Komai, Saito & Myorin, 2015

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2014/3に広島県江田島の海岸から見つかった(さとうみ科学館 西塔氏)ホンヤドカリ属の新種で、ホンヤドカリ属の潮間帯からの新種発見としては今世紀初となる貴重な発見です。その後、京都府舞鶴からも2014/5に見つかりました(織部氏)。僕もすぐに舞鶴と江田島へ遠征し、それぞれ本種の生息を確認しました。一通りの標本を確保の後、千葉県立中央博物館の駒井先生に論文を作成して頂きました。

本種は形質的にはゴホンアカシマホンヤドカリに非常に酷似しますが、歩脚が長く動作が機敏であることや、全体的に大型であるため歩脚の各棘列の数も多く、また決定的な違いとしてヒドロ虫の形成物(元はシワホラダマシ等のカイウミヒドラを宿した巻き貝をベースとしたモノ?)を宿殻として背負う点が挙げられます。また、このヒドロ虫の成長に伴い、殻を成す構造物も拡張されていくため、本種は成長に伴う宿殻交換が不要のようです。このような特異な宿殻を利用するヤドカリは深場ではいくつか挙げられますが、潮間帯では非常に希な特徴です。
また、太平洋側や日本海側などの潮間帯に広範囲に分布していながら、これまでまったく発見に至らなかった大きな要因のひとつとして、本種は普段から海草の茂みの中を活動の拠点としている点が挙げられます。実際、僕の観察でも、砂地・アマモ場や岩場周辺では一切見つからず、ホンダワラの茂みの中からのみ見つかりました。採集も、海草を揺すって落ちてくるのを網で受けて捕らえる方法でのみ実現したほどです。尚、この採取方法では、アカシマホンヤドカリ、ゴホンアカシマホンヤドカリ、オキナワアカシマホンヤドカリ、イクビホンヤドカリ等も混じりました。

関連論文:T. Komai, Y. Saito & E. Myorin, 2015. A new species of the hermit crab genus Pagurus Fabricius, 1775 (Crustacea: Decapoda: Anomura: Paguridae) from shallow coastal waters in Japan, with a checklist of the East Asian species of the genus. Zootaxa 3918 (2): 224–238 (11 Feb. 2015)


キカイホンヤドカリ/Pagurus angustus (Stimpson, 1858)

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喜界島産の標本に基づき記載以後、採集例無し。正体不明。

2014/6追記:近年琉球列島で見つかってる指節先端が赤いユビナガホンヤドカリが実は本種とのこと。

2015/2追記:過去の沖縄産個体の写真を整理していたら2003年の中から該当する個体を発見したので画像を1枚追加しました。


チュラホンヤドカリ/Pagurus tabataorum Osawa, 2012

新種(2012/11/26追記):ホロタイプ 久米島 雄4.0mm 水深68M 2009/11/10

Osawa, M, 2012.
A new species of the genus Pagurus Fabricius, 1775 (Crustacea: Decapoda: Anomura: Paguridae) from the Ryukyu Islands, southwestern Japan
Zootaxa 3367: 155-164 (2012)


イケダホンヤドカリ/Pagurus ikedai Lemaitre & Watabe, 2005


チャイロイクビホンヤドカリ/Pagurus simulans Komai, 2000


タンカクホンヤドカリ/Pagurus confusus Komai & Yu, 1999


和名未定/Pagurus alaini Komai, 1998


和名未定/Pagurus parvispina Komai, 1997


イマフクツノガイホンヤドカリ/Pagurus imafukui McLaughlin & Konishi, 1994


ムニンタテジマホンヤドカリ/Pagurus insulae Asakura, 1991


メリンホンヤドカリ/Pagurus exiguus (Melin, 1939)

小笠原産の標本に基づき記載以後、採集例無し。但し、McLaughlin & Sandberg (1995)によりタイプが再記載され、他の種と異なることは判明しているとのこと。


イマイホンヤドカリ/Pagurus imaii (Yokoya, 1939)


シマハダカホンヤドカリ/Pagurus nipponensis (Yokoya, 1933)


ヤマブキホンヤドカリ/Pagurus similis (Ortmann, 1892)


ラスバンホンヤドカリ/Pagurus rathbuni (Benedict, 1892)


ヒオドシホンヤドカリ/Pagurus townsendi (Benedict, 1892)


ミゾテホンヤドカリ/Pagurus undosus (Benedict, 1892)


ツマベニホンヤドカリ/Pagurus brachiomastus (Thallwitz, 1891)


和名未定/Pagurus kennerlyi (Stimpson, 1874)


ハダカホンヤドカリ/Pagurus gracilipes (Stimpson, 1858)


イガグリホンヤドカリ/Pagurus constans (Stimpson, 1858)


カイメンホンヤドカリ/Pagurus pectinatus (Stimpson, 1858)


ミツカドホンヤドカリ/Pagurus trigonocheirus (Stimpson, 1858)


エゾホンヤドカリ/Pagurus hirsutiusculus (Dana, 1851)

厚岸や根室から僅かに採集例あり。北千島では潮間帯で大量に見られるとのこと。




「ホンヤドカリ属/Pagurus Fabricius, 1775」の分類




本データベースの作成にあたり、千葉県立中央博物館動物学研究科 駒井智幸 先生より多くの助言を頂きました


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