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WQMコンパクトモニター新発売!

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少し前に単体のpHモニタがボルクスジャパンから発売されましたが、その同シリーズとして、一体型の導電率&pHモニタ塩分濃度&pHモニタが新たにラインナップに加わり、本日から販売開始となりました。一台二役ってお得で便利ですね♪
詳しくはボルクスジャパン取り扱いショップまでお問合せください。

但し、最寄店が無い方や、取り扱い店舗が見つからない場合は、姫路のマリンメッセから直接コレクト便で購入することもできるそうです。詳しくはマリンメッセのページをご覧ください。また、各ショップでも取り扱いを検討されると良いでしょう。

尚、この製品の応援市場での取り扱いは予定していません。要望あります?

とりあえず簡単にご紹介しておきます。

WQMコンパクトモニターシリーズ

volxjapan WQMコンパクトモニタシリーズ

型番 測定対象 測定範囲 定価
WQM2701 pH 0.0~14.0pH 13,200円
WQM2718 導電率 & pH 0~1999μs/cm / 0.0~14.0pH 18,600円
WQM2771 塩分濃度 & pH 5.0~40.0ppt / 0.0~14.0pH 20,800円
  • 液晶バックライト搭載! (常時点灯可)
  • 高性能pHプローブ採用! (より高精度でのpHモニタが可能)
  • 内臓バッテリー充電機能搭載! (フル充電10時間、充電警告機能付き)
  • ACアダプター標準付属! (別途購入不要)

10年ぶりのpHモニタ

10年前当時は、American Marine IncのピンポイントpHモニターやORPモニターを使っていましたが、最近はこの手の計器類はとんとご無沙汰しておりました。たまにpH試験紙で軽く見る程度。

で、そろそろpHモニタが欲しいなぁと思っていたので、この機会に比重も計れる塩分濃度&pHモニタ WQM2771をチョイスしました♪
尚、塩分濃度部の単位はPPTですが、比重への換算表が付属してるので、比重の把握も容易です(30.0~31.0ppt → 1.023)

塩分濃度&pHモニタ WQM2771

また、pHモニタ部の校正液には2タイプ(6.86、4.00)がオプションで用意されていますが、本体の校正ネジは1チャンネルなので、海水の場合は6.86を用いると良いみたいです。
ちなみに校正しようと思ったら、出荷時にきちんと校正済みのようでした。

この塩分濃度&pHモニタの付属品は、本体+塩分プローブ(本体一体)、pHプローブ+保護液、ACアダプター、校正用ドライバ、pHプローブ固定用吸盤×2、本体固定用吸盤×2+マジックテープ、塩分濃度→比重換算表、取扱説明書兼保証書、となります。
なんと、ACアダプターが標準で付属してます! これは嬉しい♪

塩分濃度&pHモニタ WQM2771 本体

pHプローブは精度重視で、大きな高精度センサープローブを採用しています。やはり計器は精度が命ですからね。ちなみにpHプローブはBNCコネクタで着脱可能ですが、塩分濃度プローブは本体一体となります。

塩分濃度&pHモニタ WQM2771を水槽にセットした様子

本体の固定は、付属のマジックテープを使うか、平らな面なら本体裏に吸盤があるので、そのままでも十分張り付きます。上の写真はとりあえず吸盤で水槽に張ってみた様子。
また、液晶のバックライトは常時点灯が可能なので、夜間の視認性もグッド!

本体は凄くコンパクトで小さいです。正面から見て87×54mmしかありません。
また、ACアダプターの接続中は内臓バッテリーに充電されるため、約10時間のフル充電後はポータブルモニタとしても利用可能です。何日持つのかは判りませんが(汗)

最初は黄色とか赤とか青の本体ってどうよ?(汗)と思ってましたが、いざ使ってみるとさほど違和感はありませんでした。これはこれで格好良いかも?

もっとも嬉しいのは、そのお買い得な価格設定です。
メジャーなピンポイントモニターだったら、最安でもpHモニタと塩分モニタで計35,000円ほど掛かりますし、しかもアダプターが別売だと、なんやかんやで40,000円近くになっちゃいます。でも、このWQMコンパクトモニターなら、アダプターも付属ですし、バックライト機能やら充電機能やらがついて半値以下なので、これは超お得でないかい?

ちなみにORPモニターも作って欲しいんですが、それについてはまだ未定だそうです。
導電率より需要あると思うんだけどなぁ。。。

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ELOSポタジウム試薬でカリウムを測定してみる

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本日、やどかり屋からELOSのポタジウム試薬(カリウム試薬)が届きました。

ELOS Potassium Tester

あ。今日はなんか良い天気だったので、なんとなく(笑)
でも風が強くて雲がビュンビュン流れていました。

中身はこんな感じです。

ELOSポタジウム試薬の中身

注射器・大(12.5ml)、注射器・中(5ml)、注射器・小(0.5ml)、計量スプーン(0.15ml)、Aqua Dest(純水100ml)、Reagente Test Potassio(粉末試薬5g)、試験管×2、キャップ×2、比色表、日本語説明書。
但し、説明書を見る限り、注射器・大は使わないことになってます。予備か、あるいは自前の純水を用意した際にでも使ってくれってことかな。だって、この注射器・大は太すぎて純水ボトルに入んないんだもの(笑)

ちなみに測定の流れとしては、一方の試験管に純水と粉末試薬0.15mlを入れて良く混ぜ、それを3分放置して試液とし、もう一方の試験管に0.5mlの飼育水を入れ、比色表の黒い印の上に配置し、そこへ先の試液を点滴していくと、試験管内のサンプルが徐々に白濁していき、遂には試験管底部に透けて見えていた黒い印が見えなくなるので、その時の液量を読み取りカリウム濃度とする、て感じです。

では、早速5L水槽のカリウム濃度を測ってみました。

5L水槽のカリウム濃度初期値

頼む。。。嘘だといってくれ(汗)
100ppmを華麗に下回って、なにこれいくつなの?
試液全部入れてもまだ答えが出ません(汗)
いくらなんでも平均400ppmあるはずのカリウムが100ppm切ってるなんて。。。
試薬おかしいのかしら?

なので、試薬の精度を見るべく、ちょい何か方法を考えてみた。
で、RO水にカリウムを添加して、理論値との差を見てみることにした。
RO水5L + 硫酸カリウム6g(5.57gで500ppm↑)を測定。計算方法は前回の記事を

RO水5Lへ硫酸カリウム6gを添加した際のカリウム濃度

あぁ。ちゃんと反応しました。じゃ、試薬は大丈夫みたい。。。
でも、なんか計算よりかなり高いなぁ。。。500ppmの予定が、700ppmくらい?

さらに心配なので、リーフクリスタルの作りたても測ってみました。
すると、ぴったり400ppmでした!
おおお! 理想値やん♪
じゃ、やっぱ試薬は問題無さそうです。

そこで、水槽のカリウムが100未満でしたので、仮に100ppmとして、そこへ300ppm足して400ppmを目指すことにします。理屈では、硫酸カリウムを3g(3.34gで300ppm↑)足せば良いはず。
ま、実際には100未満だし、少な目の3gだし、計300ppm台前半くらいを予想しました。
さあ、結果は如何に?

5L水槽へ硫酸カリウムを3g入れた際のカリウム濃度

ガーン!?
300ppm台どころか、400ppmも通り越して500ppm~600ppm程になりました(汗)
もしや小数点の見えない計器のせいで、3gのつもりが4g寄りの3gだったとか?

いや待て。どうもさっきから引っかかるな。。。

  1. RO水へ500ppmを入れたつもりが、700ppm強と出た。
  2. リーフクリスタルの400ppmはちょうど良い感じで理想値が出た。
  3. 水槽の初期値が100ppmをはるかに下回っていて、そこへ300ppm弱を足したので、計300ppm台かと思いきや、計500ppm以上と出た。

と言うことは、400ppmを境に、低い値はより低く、高い値はより高く出ちゃってる?
比色表の示す特性より、現実はもっと勾配が激しいって感じ?
それとも、単なる僕の誤差?(汗)

カリウム試薬は判り辛いとは聞いていたけれど、これ、判り辛いと言うか、色の読み取り自体は楽なので、問題は精度?
と言うわけで、ただいま諸々LSSに質問中です。
判り次第、またご報告しますです。

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硫酸カリウム(K2SO4)によるカリウム添加

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少し前から、水槽に於けるカリウム(ポタジウム)の存在に興味を持ち始めました。
どうもまだなんか足りない気がするのは、これなのかなぁ?なんて。。。

一般的にカリウムは、ナトリウムとの関係が深く、細胞の浸透圧を調整するために必要不可欠な元素だそうです。と言うことは、海洋生物にとっては特に重要な元素なのかしら?

特にZEOvitでは、PAO(リン吸収細菌)によるリンの吸収を促す際に、ポリリン酸としての蓄積に伴ってカリウムとマグネシウムを併行して消費してしまうそうなので、それらの監視と補給の必要性がうたわれています。

ちなみに農業の分野では、カリウムは三大栄養素(窒素、リン、カリウム)のひとつであり、糖・タンパク質の合成に必要な元素です。また、カリウムが欠乏すると分裂組織の発育低下が起こるそうです(フォトサイエンス化学図録より)

そうしたことからも、カリウムやマグネシウムをより多く消費するZEOvitに於いては、その管理の必要性が強く求められている、という点は良く理解できます。
でも、一般のナチュラルシステムはどうなのかしら?

一般的な水槽でも少なからずPAOが活動しているならば、やはりこれらの消費が伴うはずです。またPAOに限らず、他の細菌・微生物やプランクトンなどの生物相が豊富であればあるほど、それらの細胞のカリウム要求量は膨大になりそうです。
また、生体自身も成長に伴い細胞に必要なカリウムが新規に取り込まれていくはずですから、やはりそうした消費によって、水槽内のカリウム濃度は徐々に減少していくことが考えられます。

と言う訳で、今後はカリウムも管理してみようかなぁ、と言う欲求が生まれました♪

善は急げと言うことで、早速ホームセンターのいつもの肥料コーナーへ(笑)
もはや肥料コーナーは僕のテリトリーと化しています(曝)
今回はその中から、硫酸カリウムをカリウム源に使うことにしました。

硫酸カリウム

現在の硫酸マグネシウムの添加と同様、ここはやはり硫酸カリウムでしょう!
これなら海水成分に対して負担がありません。硫酸イオンは海水の主成分ですから。
他にも塩化カリウムや炭酸カリウムが考えられますが、イオンバランスや価格、入手性の問題から今回は敬遠しました。

写真は上野製薬の「硫酸加里」。保証成分は51%で、価格は破格の398円
問題は、1Kgをどうやって使い切るかということだ(汗)

硫酸カリウム(K2SO4)の添加量計算

硫酸マグネシウムの添加と同様、硫酸カリウムを水槽へ添加する場合の添加量を計算してみました。

●硫酸カリウム - K2SO4
溶解度 : 12.0% (25℃) - 1Lに120gの硫酸カリウムが溶解可能

●原子量 (分子量 = 174.3)
カリウム : 78.2 (39.1×2)
    硫黄 : 32.1
    酸素 : 64.0 (16.0×4)

●飽和硫酸カリウム溶液1Lのカリウム濃度
120 * 78.2 / 174.3 ≒ 53.838g = 53838ppm

●5L水槽のカリウムを100ppm上昇させるには
a) 100 / 53838 * 120 * 5 = 1.114g ≒ 1g
b) 100 * 174.3 / 78.2 * 5 = 1114.5mg ≒ 1g

5L水槽に硫酸カリウムを1g溶けば、カリウム濃度はおよそ100ppm弱上昇する

・・・合ってる?
ひとつ気になるのは、保証成分が51%と言う部分。
なにそれ。なんか値の補正が要るの?

現在、僕の5L水槽の水質管理は、基本的に定期的な換水でおこなっていますが、人工海水の初期成分の不足分や日々の補給として、マグネシウムやカルシウムも適宜添加して調整しています。ここへカリウムの添加スケジュールが新たに加わることになります。

天然海水にはカリウムが約400ppm近く含まれていて、これはカルシウムに近い値です。まずは平均値としてカリウム400ppmあたりを目標に維持していきたいと思います。

  1. カルシウム - 水酸化カルシウムの点滴 (薬局で1,000円/500g)
  2. マグネシウム - 硫酸マグネシウムの添加 (薬局で1,000円/500g)
  3. カリウム - 硫酸カリウムの添加 (肥料コーナーで300円/1Kg)

これで、サンゴの成長にも何か変化をもたらすのかどうか、よく観察していこうと思います。

さて。何か忘れてます。。。
そう、水槽のカリウム濃度を測る試薬を持っていません。
これが無いと添加量が見えません(曝)

ざっと調べてみたら、このカリウム試薬、ほとんど販売されていないみたい。。。
辛うじて見つけたものも高いものばかり。。。8,000円とか。。。
大枚叩けと言うのか。。。(汗)

そしたら、やどかり屋で見つけました。ELOSのポタジウム試薬♪
4,000円切ってます!
と言う訳で、早速注文しておきました。
で、それが本日届いたので、後ほど使用感をご報告しますね。

ちなみにこのELOSのカリウム試薬、値が凄く判定し辛いらしい(汗)
大丈夫かなぁ。。。

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